塩鉄使

塩鉄使（えんてつし）について

塩鉄使は、中国の唐代や宋代において塩の専売を管理する財務官として存在しました。この役職は、財政改革を進める中で重要な役割を果たすこととなります。特に、8世紀中盤の安史の乱の後、中国の唐王朝は深刻な財政危機に直面し、塩の管理と専売制度の導入が急務となったのです。

設置の背景

安史の乱が終わった後、唐朝は国の財政を立て直すために、塩の生産と販売を厳しく管理する必要がありました。このため、塩池や塩井の掌握といった措置が実施されます。具体的には、海塩の専売政策が促進され、塩専売に関する政策が実施されました。最初に塩の管理を行ったのは第五琦であり、彼が提唱した塩の運営方針は、後に劉晏という官僚によってさらに発展しました。

塩法の改革

特に劉晏が手掛けた「劉晏の塩法」は、その後の塩専売制度に大きな影響を与えたと考えられています。この政策の核心部分は、専売される塩を塩商に販売し、彼らに塩の流通を任せるというものでした。塩鉄使が管轄するエリアでは、塩の運搬と販売が自由に行われ、塩商たちの自営業が促進されました。この流通の自由化によって、全体の塩の取引量が増加し、国の財政にも良い影響を与えたとされています。

唐から宋への移行と三司の設置

その後、唐朝では戸部、度支、塩鉄の三司が財務管理の中枢として機能し始めました。五代時代を超え、宋代に入ると、これらの官庁は統合されて三司使が設けられます。元豊の改革の中で、塩鉄司は廃止され、塩の専売政策は今度は宰相が管轄することとなります。この時期の政策変更は、官の運営と財政のバランスを見直す一環として行われました。

課題とまとめ

塩鉄使の制度とその後の改革は、中国の財政政策の歴史において重要な節目となるものであり、塩の専売制度は国の収入源として大きな役割を果たしていました。さらに、経済活動の自由をある程度保障することで、商業の発展にも寄与した点は見逃せません。このように、塩鉄使は単なる一官僚ではなく、中国経済の変革における重要な存在であったと言えるでしょう。以上のような歴史的背景を受けて、塩専売は今後も中国における財政政策の一環として展開されることとなります。

参考文献としては、コトバンクや史学研究会の論文があり、さらに中国における塩政の歴史を学ぶ上で有用な資料が揃っています。

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