劉晏

劉晏（りゅう あん）とは

劉晏は、中国唐代の著名な政治家であり、開元4年（716年）から建中元年（780年）にかけて活躍しました。彼は曹州南華県出身で、幼少期から神童と称されていました。8歳の時に唐の皇帝玄宗に御前での頌を献じたことで太子正字を授けられ、その才能が認められました。その後、彼は賢良方正に挙げられ、多くの地方官を歴任しました。

経歴の概要

劉晏は安史の乱の最中の上元元年（760年）に、唐の粛宗に召され、京兆尹や戸部侍郎御史中丞など多数の重要な役職を任されました。彼の役割は、都市の財政と資源の管理を担うことでしたが、一時的に讒言によって通州刺史へ左遷されることもありました。しかし、宝応元年（762年）に代宗が即位した際、彼は再び京兆尹に就任し、財政を任されることになります。

財政改革への取り組み

劉晏の治世で特筆すべきは、彼が江淮地域の塩鉄・漕運の改革を行ったことです。彼は塩の専売利益を活用して流民を雇い、年間40万石の食糧を長安へ漕運することに成功しました。また、彼は官が販売事業から手を引き、商人に委ねることで効率的な流通を実現しました。この改革により、生産地以外の塩官は廃止され、取締を行う巡院が設置され、物価の安定策が講じられました。

政治的な波乱

劉晏は、代宗の寵愛を受ける独孤妃所生の韓王李迥と関係を深め、政権内での影響力を増していきました。しかし、皇太子を守る元載との対立が生じ、代宗が元載を捕らえた際、劉晏は彼の尋問を行い、同日中に処刑の判決を下しました。その後、代宗が亡くなると、昇進のチャンスが再び到来しましたが、楊炎の台頭によって状況は急変しました。

最後の時期と死

最終的に、楊炎が劉晏を罷免し租庸調や青苗銭を廃止する中で、彼の権力は衰え、最終的には忠州刺史に左遷される運命となりました。劉晏はかつての陰謀とされる事項で指摘され、さらにその死後も家族が配流されるなどの制裁を受けましたが、貞元5年（789年）に名誉が回復され、鄭州刺史の職に贈られました。

劉晏の影響

彼の実施した塩の専売政策は、その後の中国の専売制度に多大な影響を与え、歴代の王朝においてもその運用が見られました。その一方で、一般市民には負担を強いることとなり、彼の施策への批判も存在しました。劉晏は単なる一政治家に留まらず、その実績と改革は後の時代にも語り継がれている存在です。

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