増毛駅

増毛駅の概要

増毛駅（ましけえき）は、かつて北海道増毛郡増毛町弁天町に位置していた、北海道旅客鉄道（JR北海道）留萌本線の駅です。正式には廃駅としての扱いとなっていますが、その歴史や地域の変遷を知るための重要なスポットとなっています。

歴史の歩み

1910年に留萌本線の整備が始まった際、初めは留萌港の改修工事が予定されていました。しかし、工事の進捗遅延に伴い、港の利用までには時間がかかると予想されていました。そのため、利用可能な地点である増毛まで線路を延伸することが決まり、1921年に当駅が開業しました。

増毛駅はその後、国有鉄道の管理を経て、1987年の国鉄分割民営化によりJR北海道に引き継がれました。1981年には映画『駅 STATION』の舞台としても知られ、多くの人々の目に留まりました。2020年代に入ると運営上の変更もあり、最終的には2016年に廃駅となりました。

駅の仕様

増毛駅は、開業当初から行き止まりの地上駅で、廃止時には1面1線のホームがありました。無人駅でありながら、近隣の留萌駅がその管理を行っていました。

駅周辺の施設

駅の近くには、増毛町役場や留萌警察署の駐在所、郵便局、信用金庫、農業協同組合など、地域のインフラがそろっています。また、増毛漁港や増毛漁業協同組合も近隣にあり、漁業が盛んな地域であることを伺わせます。

沿岸バスの「旧増毛駅」停留所も設置されており、利便性の高い立地でもありました。特に2017年には特急はぼろ号が停車することが決定し、地元住民や観光客にとって貴重な交通手段となっています。

廃駅後の転用

2016年の廃止後、増毛町は譲渡を受けた駅舎を改装し、観光・交流施設として整備しました。この改修にあたっては、駅舎の面積を開業時のものと同じ大きさに復元し、外観を木板張りにするなど、当時の姿に近づける工事が施されています。2018年4月には、観光施設として新たなスタートを切りました。

2022年にはテレビCMが収録されるなど、地域の魅力を発信する拠点としての役割も果たしています。このように増毛駅は、廃駅という位置づけながらも、地域の文化や観光振興に寄与し続けています。

もう一度検索