増田俊男

増田俊男：波乱に満ちた経歴を持つ著作家、時事評論家、投資家

増田俊男（ますだ としお、1938年4月18日 - ）は、日本の著作家、時事評論家、投資家として知られています。投資顧問会社「サンラ・ワールド」の最高顧問や、月刊誌「力の意志」の編集主幹を務めるなど、多岐にわたる分野で活動しました。グローバル・レインボーシップの相談役としても名を連ねています。

生い立ちと初期のキャリア

東京都で生まれた増田氏は、1962年に慶應義塾大学商学部を卒業後、東急エージェンシーに入社しました。しかし、1964年には同社を退社し、新たな道を模索します。

アメリカンドリームを求めて

1974年、増田氏は「アメリカンドリームを求め」て渡米し、ロサンゼルスを拠点に天下一家の会の活動に従事します。しかし、この活動が原因で有罪判決を受け、保護観察処分となります。その後、畳や布団を全米で販売する事業を展開しました。1986年にはハワイに移り、先住ハワイアンの土地奪還運動を支援しました。

パラオとの関わり

1994年、パラオが米国から独立した後、増田氏は同国国会アドバイザーに任命されたと自称しています。この時期には、投資顧問会社「サンラ・ワールド」を設立し、投資家としても活動を開始しました。

出資法違反疑惑と強制捜査

執筆活動と並行して、増田氏は知人の江尻真理子（後に妻となる）が社長を務める投資顧問会社「サンラ・ワールド」を事務局とする会員制投資クラブに関わります。2000年5月には、自らを会長とする「サンラ国際信託銀行」をパラオに設立し、10%以上の高金利を謳った定期預金をクラブ会員に勧誘しました。しかし、2005年に「サンラ国際信託銀行」は営業許可を取り消され、サンラ社は事実を公表せずに投資募集を継続しました。

増田氏は、ハワイ元州知事ジョン・ワイヘエと組みコーヒー園を経営し、サンラ社を通じて投資を募りましたが、コーヒー園は経営破綻し配当が停止しました。また、カナダのIT企業の未公開株購入を長期間勧誘しましたが、経営成績が向上せず、上場計画も延期が繰り返されました。これらの投資勧誘により約200億円の資金を集めましたが、償還期限後も大半が返済不能となりました。このため、出資法違反の疑いで警察に告訴され、2010年2月3日にはサンラ・ワールドの本部や増田氏の自宅などが家宅捜索を受けました。2012年1月27日には、金融商品取引法違反（無登録営業）で懲役1年6月執行猶予3年・罰金300万円の有罪判決が言い渡されました。

民事裁判

これらの事件に関連して、仙台市の女性が「価値のない未公開株を大量に購入させられた」として、増田氏らを相手取り仙台地方裁判所に訴訟を起こしました。2010年11月10日、裁判所は増田氏らに約4,250万円の支払いを命じる判決を下しました。

評論・執筆活動

増田氏は、渡部昇一や船井幸雄などとの共著を含め、多数の著書を執筆しました。また、2008年1月号まで会員制月刊誌「力の意志」（サンラ・ワールド発行）の編集主幹を務めました。同誌には、各界の学者や文化人が寄稿しています。

増田氏の評論活動の特徴は、「2004年に日経平均株価が3万円に達する」など、大胆な予測をすることです。「急騰」や「バブル」といった言葉を多用し、著書のタイトルにもそれらの語句がよく用いられています。

独自の視点と主張

増田氏は、アメリカドルを支えるペトロダラー体制や、基軸通貨としてのドルの特権に異議を唱えてきました。また、中央銀行制度が政府の富を搾取する仕組みであると批判しています。さらに、日米安保条約によって日本の主権が制約されていると主張し、在日米軍の存在や北朝鮮拉致問題についても独自の解釈を展開しています。

その他

増田氏は、赤穂浪士の早水藤左衛門の末裔であると自称しています。また、著書『ハワイ王国独立と日米総合戦争』では、ハワイの土地奪還運動を支援し、法廷闘争で返還に成功させたと述べています。さらに、「カメハメハ6世」から「ハワイ王国全権大使」の称号を授与されたと主張していますが、カメハメハ王朝はカメハメハ5世で断絶しています。

主な著書

『ハワイ王国独立と日米総合戦争』（飛天出版）1993年
『日本はどこまで喰われ続けるのか : 個人資産倍増のヒント』船井幸雄との共著（徳間書店）1998年
『日本はこれから良くなる: アメリカが逆立ちしても日本に勝てない理由』渡部昇一、船井幸雄との共著（徳間書店）1998年
『資本の意思が日本を復活させる : それは株高、円高、金利高を演出する』（徳間書店）1999年
『目からウロコおカネ儲けの法則 : 最小資本で最短時間に最高の利益を上げろ』（ビジネス社）1999年
『目からウロコ おカネがお金を産む時代: 今こそ株と為替で儲けるチャンスだ』（太陽企画出版）1999年
『沈むアメリカ・浮上する日本 : 「円高・株高・景気回復」のミレニアムへ！』（風雲舎）2000年
『破壊と創造のサイバー資本主義』（太陽企画出版）2000年
『負けながら勝ってしまう日本 : 「資本の論理」が繁栄を導く』（PHP研究所）2000年
『この夏上がる、買っていい株100 : チャート付き完全データ集』（サンラ出版）2000年
『目ざめよ、日本』前野徹との共著（サンラ出版）2000年
『アメリカの細胞で日本を見ると、日本の未来が見えてくる : 増田俊男の「時事直言」白書』（サンラ出版）2001年
『2002年日本経済 バブル再来 : 世界のマネーが日本を選ぶ83の理由』（アスキー）2001年
『ブッシュよ。お前もか･･･ ： 「新型戦争」を演出し、経済再生を狙うアメリカの覇権構想』（風雲舎）2001年
『土地神話復活: 世界の投機マネーが日本に流れ込む』（アスキー）2002年
『2003年フセイン特需で日本は大復活する : 為替本位制時代の資産運用術』（ダイヤモンド社）2002年
『国際投資戦略家が書いた目からウロコのマーケットの読み方』上巻・下巻（アスキー・コミュニケーションズ）2003年
『2004年超円高大好況! : 基軸通貨ドルがローカル通貨円に救われる時』（ダイヤモンド社）2003年
『大金持ちになる最強の3原則 : 100万円からはじめる必勝ノウハウ』（かんき出版）2004年
『2005年超株高大景気』（ダイヤモンド社）2004年
『だから日本は勝つ。 : 「資本」を支配する者が世界を動かす』（PHP研究所）2005年
『敗者の論理勝者の法則 : なぜ、上手くいかないのかなぜ、成果が上がるのか』（プレジデント社）2005年
『史上最大の株価急騰がやってくる！ : 増田俊男の2006年大予測』（ダイヤモンド社）2005年
『日本経済大好況、目前！』（アスコム）2005年
『日本大復活！ : アメリカを救う国家戦略が黄金の時代の扉をひらく』（PHP研究所）2006年
『空前の内需拡大バブルが始まる！ : 増田俊男の2007年大予測』（ダイヤモンド社）2006年
『そして、日は昇った！ : 日本が世界の「富」を牽引する』（PHP研究所）2007年
『日本がアメリカと世界を救う！ : こんなにたくさんある21世紀が日本の時代になる理由』（徳間書店）2007年
* 『またもやジャパン・アズ・ナンバー１の時代がやってくる―乗り遅れるな、最後のチャンス　円高、株高、資産高！ 』（徳間書店）2007年


増田俊男は、その波乱に満ちた人生と、独自の視点から展開される評論活動で、多くの人々に影響を与えた人物と言えるでしょう。

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