カメハメハ5世

カメハメハ5世の生涯と業績

カメハメハ5世（Kamehameha V）、本名はロト・カプイワ（Lot Kapuāiwa）は、1830年12月11日にホノルルで生まれ、ハワイ王国の第5代国王として1863年から1872年まで治世を迎えました。彼はカメハメハ1世の娘、キナウの長男として誕生し、歴史的な背景の中で成長しました。

幼少期と背景

カメハメハ5世は、幼少期から欧米各国を訪問し、特に1849年にはカメハメハ3世の下で養子に出されていた弟アレクサンダー・リホリホ（後のカメハメハ4世）と共にアメリカ合衆国への旅をしました。この経験は彼の人生に大きな影響を及ぼしました。イギリスでは国賓としてもてなされましたが、アメリカにおいては差別的な扱いを受けるなど、様々な困難に直面しました。このような経験から、カメハメハ5世は親英主義を抱くようになり、国際的な視点を持つ政治家として成長していきました。

政治活動と即位

カメハメハ4世が即位してからは、内務長官や財務長官といった重要な政職について国家の運営に携わります。彼の政治的なキャリアは、1863年に先代が早逝した際に急速に進展しました。カメハメハ5世は同年11月30日に王位について、王権を強調した治世を目指すようになります。

彼の治世の特徴は、アメリカが起草した1852年憲法を否定し、1864年に新たな憲法を公布したことです。この新憲法では、議会を一院制にし、選挙権を獲得する条件を厳しくしました。この改革は、彼の権力の強化を意図したものであり、王政を復活させることに寄与したと考えられます。

死亡と王朝の終焉

しかし、カメハメハ5世の治世は長くは続かず、彼は1872年に独身のまま42歳で亡くなりました。彼には世継ぎがいなかったため、カメハメハ王朝はこの時点で断絶しました。後継者は議会から選出されたウィリアム・C・ルナリロが王位を継承しました。

カメハメハ5世の遺産

カメハメハ5世の治世は政治的な試行錯誤の時代であったと言えます。彼の改革は、のちのハワイ王国における政治体制の変化に影響を与え、彼自身の治世は王権の強化を試みた重要な時期として位置付けられています。彼の生涯は、ハワイの歴史における一つの大きな節目であり、彼の業績は今でも評価されています。

参考文献

• - 中嶋弓子『ハワイ・さまよえる楽園』東京書籍、1993年。ISBN 4-487-75396-1

もう一度検索