墨村良守

墨村良守

墨村良守（すみむら よしもり）は、田辺イエロウ作の漫画『結界師』の主人公。烏森学園に通う少年であり、間流結界術の正統継承者として、妖から人々を守る使命を背負っている。

プロフィール

年齢：14歳
所属：烏森学園中等部
間流結界術22代目正統継承者
趣味：お菓子作り
特技：図画工作
好物：コーヒー牛乳、甘いもの
夢：烏森の完全封印、お菓子の城建設

人物像

良守は幼い頃、時音を庇って怪我をさせてしまった経験から、周囲の人間が傷つくことを極度に恐れている。そのため、考えるよりも先に行動してしまう危うさを持つ。しかし、その根底にあるのは「おそろしく純粋」な心であり、多くの人々から危惧されると同時に、その純粋さを魅力として見出されている。

志々尾限の死をきっかけに、他者に被害が及ぶことを過剰に恐れるようになるが、周囲の叱咤激励を受け、徐々に改善していく。歴代継承者の中でも特に烏森の影響を受けており、「烏森に愛されている」とさえ言われるほど。烏森の力を視認できる唯一の術者でもある。

才能に恵まれているが、本人は無自覚。不用意な発言で周囲を傷つけることもあるが、修行には真面目に取り組み、墨村家に伝わる「だまし岩」を使った鍛錬を欠かさない。パワータイプの術者であり、テクニックは未熟ながらも、圧倒的な力でそれを補う。利き腕は左だが、結界術は右手で使用していた。しかし、左手を使うようになってからは、より正確な結界を張れるようになった。

お菓子作りが趣味で、将来はお菓子の城を建てることを夢見ているが、祖父からは反対されている。烏森学園では、授業中に寝ているか、お菓子のレシピを書いていることが多い。クラスの女子からは全く意識されておらず、「九九の七段が言えない疑惑」や「給食のコーヒー牛乳でパワーを発揮する」といった噂がある。

来歴

幼い頃から正統継承者として厳しく育てられたが、当初は継承の意味を理解しておらず、妖退治にも熱心ではなかった。9歳の時、妖から時音を庇い、大怪我を負わせてしまったことを深く後悔し、時音を守るために強くなることを決意する。

黒芒楼との戦いでは、志々尾限との出会いと別れを経て、火黒を倒すために修行に励む。黒芒楼に乗り込み、姫から力を授かり、火黒との激戦を繰り広げる。激闘の末、白い絶界（真界）を発動させ、火黒を消滅させることに成功する。

黒芒楼打倒後は、日常を取り戻しつつも、新たな事件に巻き込まれていく。奥久尼が烏森の調査に訪れた際、黒兜との戦いで烏森の力を視認し、その力に翻弄される。淡幽の神佑地では、無道との戦いを経て、正守との絆を深める。

暴走した緋田郷の土地神との戦いでは、時音に土地神を殺させてしまうという辛い経験をする。その後、氷浦蒼士との出会いと別れを経て、極限無想を発動させ、烏森を守り抜く。しかし、扇七郎の暴走により、再び暴走状態に陥り、白い絶界（真界）を発動させてしまう。

その後、母との再会、烏森の異界への突入、宙心丸との出会いと別れを経て、烏森を完全に封印するために旅立つ。旅先で開祖・間時守と出会い、真界の修行を行う。

総帥・逢海日永との戦いでは、真界で総帥の精神支配を退け、総帥を撃退する。時守から烏森の誕生の経緯を聞き、激しく動揺するが、修行を完成させ、宙心丸の望む世界を創り出す。しかし、母の犠牲を受け入れ、正統継承者としての使命から解放される。

使命から解放された良守は、時音と共に穏やかな日常を送る。

能力

間流結界術：結界を張り、妖を封じ込める術。応用力は高いが、多重結界や座標指定などの技術は未熟。極限無想状態では、強度・正確さ・スピードが飛躍的に向上する。
絶界：黒いオーラで対象を消滅させる技。初期は不安定だったが、修行により球形にできるようになる。しかし、黒芒楼との戦い以降は、使用を控えている。
真界：白いドーム状の超巨大結界。良守が拒絶するものを無に帰す力を持つ。感情に流されやすく、無意識に発動することがあったが、修行により制御可能になる。使用には大きな負担がかかる。
極限無想：無想を完成させた状態。管理者であるしぐまを出現させる。間流結界術の強度が飛躍的に向上する。
探査用結界：自身の周囲に巨大な結界を張り、妖などの情報を洗い出す技。
しぐま：極限無想時に召喚される管理者。白と黒の縞模様の入った正六面体で、様々な形に変形する。口が悪く、「ケケ」が口癖。

脚注

田辺イエロウ『結界師』

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