士魂魔道 大龍巻

映画『士魂魔道 大龍巻』の詳細

『士魂魔道 大龍巻』（しこんまどう だいたつまき）は、1964年1月3日に公開された日本の映画で、宝塚映画製作所が制作し、東宝が配給を担当しました。監督は稲垣浩、主演には市川染五郎が名を連ねています。併映作品には『社長シリーズ』の一作である『社長紳士録』があり、観客を惹きつけるキャッチコピーとして「人馬もろとも吹きとばし戦野を疾る凄絶の大龍巻！」が用いられました。

原作と脚色

原作は南條範夫による1963年の小説ですが、映画はその内容を大幅にアレンジしています。原作に比べ、「魔道」という要素は薄れ、タイトルにある大竜巻が物語のクライマックスを担っています。監督や脚本は、1961年に公開された『大坂城物語』と同じクリエーターチームで手がけ、時代背景もそちらより後の設定にされています。

特撮技術と撮影秘話

特に印象的なのは、大竜巻の描写です。これは大型の扇風機を用いて突風を作り出し、宙を舞う人や馬のミニチュアを操作することで表現されています。監督の稲垣浩と特技監督の円谷英二は、撮影において多忙を極めていたため、竜巻がどの方向から現れるかの具体的な打ち合わせは行われませんでしたが、最終的には一致した方向で撮影されています。稲垣はこの点について「主役（竜巻）は下手から登場すると決まっている」とスタッフに説明しました。また、大竜巻のシーンではあえて音楽を排除した演出がなされ、緊迫感が強調されています。

大阪城内での炎上シーンには、スタジオのセットに本物の火を使って撮影するなど、リアルな演出が行われました。一部のシーンは、以前の『大坂城物語』から流用されており、未使用のカットも再利用されています。

ストーリー概要

物語は、落城寸前の大阪城を舞台に展開します。主人公、深見重兵衛は、自らの死を覚悟して切腹しようとしていたところ、豊臣秀頼の子供である国松を抱えた小里と出会います。深見は小里を助け、共に逃げ出すことに。落人として追われる二人は、豊臣方残党による陰謀に巻き込まれ、運命を共にすることになります。そして、豊臣家の埋蔵金を巡る争いが佳境を迎えたその時、突如として巨大な竜巻が現れるのです。この大竜巻が物語の結末にどう影響を与えるのかが、観客の目を引きます。

主なキャスト

本作のキャストには、深見重兵衛役の市川染五郎をはじめ、星由里子、夏木陽介、佐藤允、水野久美、草笛光子など、豪華な顔ぶれが揃っています。彼らの演技が物語に厚みを加え、緊迫感を生み出しています。

スタッフ情報

本作品の製作は田中友幸、脚本は木村武と稲垣浩が共同で担当しました。撮影や照明、美術といった分野にも日本[[映画]]界を代表する才能が揃い、特に特技監督の円谷英二の手腕が光ります。彼の特撮技術が活かされたシーンは、今なお特撮映画の金字塔とされています。

このように『士魂魔道 大龍巻』は、歴史的背景と特撮技術を融合させた作品であり、多くの映画ファンに愛され続けています。

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