壬生義雄

壬生義雄（みぶ よしたけ）について

壬生義雄は、戦国時代から安土桃山時代にかけての有力な武将であり、下野宇都宮氏、後北条氏の家臣として知られています。彼は壬生氏の最後の当主であり、その生涯は tumultousな政治的抗争の中で展開されました。

生い立ちと背景

義雄は天文21年（1552年）、壬生綱雄の子として生まれ、幼少期の名前は氏勝でした。父・綱雄は後北条氏と連携し、宇都宮氏からの独立を図っていましたが、叔父である周長は宇都宮氏への従属を徹底し、父と対立しました。この対立は、義雄の人生にも大きな影響を与えることとなります。

天正4年（1576年）には、綱雄が暗殺され、周長が壬生氏の拠点である鹿沼城の主となります。周長はその後、義雄の拠点である壬生城を攻撃しましたが、義雄が見事に勝利し、周長は戦に敗れて命を落とします。これは義雄にとって重要な勝利であり、彼の武将としての地位を固めることとなりました。

後北条氏との関係

その後、義雄は一時的に佐竹義重の影響力に従い、北条氏と敵対する立場にありました。しかし、天正13年（1585年）の12月には結城晴朝の説得を退け、再び後北条氏方に加わります。この動きは、北条軍が宇都宮氏と多気山の両城を攻撃するきっかけとなり、翌年には義雄は宇都宮氏と佐竹氏から攻撃を受けることになります。

軍事的脅威と策略

天正15年（1587年）10月9日、義雄は南会津の奥州長沼氏に対し、日光近辺の緊迫した情勢について手紙を送っています。特に、敵となる宇都宮氏が倉ヶ崎に城を築いたことで、義雄はその軍事的脅威を感じ取り、後北条氏に報告を行います。その結果、後北条氏は軍勢を派遣することを約束しました。

義雄は、父・綱雄と同様に後北条氏と手を結び、宇都宮氏との抗争を続けました。

最期の日々

天正18年（1590年）、豊臣秀吉による小田原征伐の際、義雄は北条氏に味方し、小田原城に籠城しましたが、小田原落城後に病に倒れ、そのまま亡くなったと言われています。

義雄の死後、彼には男子の跡継ぎがなく、娘だけが残されました。義雄の娘、伊勢亀は、死後に壬生家臣であった一色右兵衛尉の妻となり、これにより壬生家は絶家してしまいました。武士の家系としてその名を刻んだ壬生義雄は、動乱の時代を生き抜いた影響力のある人物でした。

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