変流器(へんりゅうき)
変流器は、
交流電流を変換するための電子部品で、他にも電流変成器やカレントトランスと呼ばれています。主に、計測用途に特化した計器用変流器も存在し、これは特に測定に用いられるものです。
概要
基本的な変流器は、磁気的に結合された二つの巻線から成り立っています。この構造によって、エネルギー保存の法則に従い、一次側と二次側の電力が等しく保たれます。しかし、電力は電流と電圧の積で計算されるため、巻線の巻数の違いにより電流を調整することが可能です。
この関係は次の式で表されます:
\[ \frac{N_{2}}{N_{1}} = \frac{I_{1}}{I_{2}} \]
ここで、\(N_{1}\)は一次側の巻数、\(I_{1}\)は一次側の電流、\(N_{2}\)は二次側の巻数、\(I_{2}\)は二次側の電流を表します。特に注意すべき点は、二次端子が開放状態になると高電圧が発生するため、破損や事故のリスクが伴うことです。
構造
一次導体の構造による分類
- - 巻線型:通常のコイル状の構造。
- - 棒型:棒状の導体を貫通しているデザイン。
- - 貫通型:測定する電線がそのまま貫通する仕組みで、主に大電流(約1,000アンペア以上)に用いられます。
絶縁の種類
- - エポキシモールド形:エポキシ樹脂で保護されたタイプ。
- - 油入り式:内部に絶縁油が充填されているタイプ。
使用される磁性材
変流器の種類
- - 零相変流器(ZCT):地絡故障時に流れる零相電流を検出するための器具で、通常は貫通型です。三相共ケーブルを使用し、電流のベクトル和を見ます。地絡時にはこのベクトル和が0にならない特性を利用しています。
- - 光CT:電流の影響で生じる磁場をファラデー効果で検出する変流器の一種です。
- - 計器用変流器:交流電流計の測定範囲を広げるために使用され、一般的には「変流器」として知られています。これは測定用途以外での使用がほとんどないため、混乱が生じないようにしています。
関連項目
これらの多様な変流器は、電力の測定や管理において不可欠な役割を果たしています。高い精度と信頼性を求められる電力系統での利用は非常に重要です。