電流計

電流計：電流を測る電気計器

電流計は、電気回路を流れる電流の大きさを測定するための計器です。デジタル式やアナログ式など様々な種類があり、自動車やオートバイのメーターパネルにも組み込まれています。本稿では、電流計の種類、使用方法、内部構造、そして測定範囲の拡大方法について詳しく解説します。

電流計の種類と使用方法

電流計は、測定対象の回路に直列に接続して使用します。これは、電流計が内部抵抗の小さな測定器であり、回路に低抵抗を挿入することで電流値を測定しているためです。測定範囲を広げるには、分流器や変流器といった機器を使用します。

直流電流計を使用する際には、電池または安定化電源装置のプラス極を電流計のプラス端子に、マイナス極を負荷を介してマイナス端子に接続します。交流電流計の場合は極性を意識する必要はありません。測定値が不明な場合は、まず最大の測定範囲から接続し、必要に応じて測定範囲を調整します。電流計を電源に直接接続すると、大きな電流が流れ、計器が破損する可能性があるので注意が必要です。

アナログ電流計の内部構造

アナログ電流計は、電圧計と同様に可動コイル型や可動鉄片型といった構造をしています。内部抵抗を小さくするために太いコイルが使用されています。

可動コイル形: 永久磁石とコイルで構成され、コイルに電流が流れると磁界によってコイルが回転し、その回転角度によって電流値を示します。直流電流の測定に適しています。
可動鉄片形: 電磁石と鉄片で構成され、電磁石に電流が流れると鉄片が磁力によって引きつけられ、その移動量によって電流値を示します。交流電流の測定にも使用できます。

交流電流計と直流電流計

直流電流計は直流電流の測定専用です。大きな電流を測定するには、分流器を併用します。交流電流計は商用周波数程度の交流電流の測定に使用されますが、直流電流の測定にも使用できます。ただし、電流が大きくなるにつれて誤差が大きくなるため注意が必要です。

電流力計型電流計

電流力計型電流計は、電力計と同様の構造をしていますが、内部配線が異なります。直流から商用周波数程度の電流を測定できます。

検流計（ガルバノメーター）

検流計は、微小電流を測定するための高感度な電流計です。ブリッジ回路の平衡を確認する際に使用されます。直流用の検流計は、強力な永久磁石を使用した可動コイル形計器であることが多く、電子回路を利用した簡易電子式検流計もあります。

熱電形電流計

熱電形電流計は、電流によるジュール熱を熱電対を用いて直流電流に変換し、それを可動コイル形計器で測定するものです。電流の二乗に比例した目盛りを持つため、実効値を表示します。交流・直流どちらにも使用できますが、測定範囲は限られており、過電流に弱いという欠点があります。

デジタル電流計

デジタル電流計は、分流器や電流検出抵抗器、交流電流センサなどを用いて電圧を測定し、デジタル表示することで電流値を示します。ローサイド電流検出、ハイサイド電流検出、アイソレーション(絶縁)といった手法が用いられます。交流電流センサは、トロイダルコアに巻線を施し、測定対象の電線をコアに通すことで電流を測定します。

測定範囲の拡大

電流計は、大きな電流を測定しようとすると誤差が大きくなります。そこで、測定精度を高めるために分流器（直流電流計用）や計器用変流器（交流電流計用）といった機器が使用されます。

自動車・オートバイにおける電流計

自動車やオートバイの一部には、メーターパネルに電流計が搭載されています。この場合、指針のプラス側とマイナス側で発電電流と消費電流の大小関係を示します。プラス側は発電電流が消費電流を上回り、マイナス側は発電電流が消費電流を下回っていることを示します。

まとめ

電流計は、電気回路の解析や制御において重要な役割を果たす計器です。様々な種類があり、用途に応じて適切な電流計を選択することが重要です。本稿で解説した内容が、電流計の理解と活用に役立つことを願っています。

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