夏が来る

「夏が来る」：大黒摩季の代表的ヒット曲

1994年4月23日にリリースされた大黒摩季の8枚目のシングル「夏が来る」は、オリコンチャートで5月度月間1位を獲得、10週連続TOP10入りというロングヒットを記録し、98万枚という驚異的な売上を記録しました。これは大黒摩季自身のシングル売上において4番目の記録となります。

制作背景：結婚観と北海道の夏

リリース前年の1993年、皇太子徳仁親王と小和田雅子さんのご結婚を機に、日本中が祝賀ムードに包まれる中、当時20代半ばで歌手として成功を掴み始めた大黒摩季は、親族や周囲から結婚を期待される状況にありました。この経験や心境が歌詞に反映されているとされています。

歌詞の中に垣間見える結婚への言及や、周囲の期待への葛藤、そして「意地になる」といった表現は、当時の大黒摩季の素直な心情を表していると言えるでしょう。夏の情景を描いたテーマも、北海道出身である大黒摩季自身の故郷の夏を想起させるものと考えられます。

興味深いことに、大黒摩季はテレビ番組「ニュースLIVE!ゆう5時」(2013年12月13日放送)で、この楽曲の歌詞をプロデューサーに見せたところ「ただの愚痴と日記だ」と一蹴されたと語っています。この出来事が、大黒摩季に「ぎゃふんといわせたい」という強いモチベーションを与えたと振り返っています。

しかし、当時の大黒摩季はラテン音楽にも造詣が深く、その音楽性を活かしながら、普遍的な魅力を持つ楽曲に仕上げ、日本人リスナーにも広く受け入れられる作品へと昇華させました。

楽曲と収録内容

全作詞・作曲は大黒摩季、編曲は葉山たけしが担当しています。

1. 夏が来る (4:48)

TBS系『COUNT DOWN TV|COUNT_DOWN_TV』1994年4月～6月度のオープニングテーマとして使用されました。
2011年7月には、サッポロビール「サッポロ アイスラガー」のCMソングにも起用され、幅広い世代に親しまれる楽曲となりました。
キーボードにDIMENSIONの小野塚晃、コーラスにTWINZERの生沢佑一が参加しています。

2. 未来が私を呼んでいる… (4:53)

長らくアルバム未収録でしたが、2016年発売のオールタイム・ベストアルバム『Greatest Hits 1991-2016 〜All Singles +〜』（BIG盤）に初収録されました。

3. 夏が来る (オリジナル・カラオケ) (4:47)

4. 未来が私を呼んでいる… (オリジナル・カラオケ) (4:52)

収録アルバム

「夏が来る」は、数多くのアルバムに収録されています。オリジナルアルバムはもちろんのこと、ベストアルバムやコンピレーションアルバムにも収録され、大黒摩季の代表曲として、現在も高い人気を誇っています。特に、『complete of 大黒摩季 at the BEING studio』には、スペイン語バージョンの「Spanish Version」も収録されています。また、セルフカバーバージョンも『LUXURY 22-24pm』に収録されています。

続編：「夏が来る、そして…」

2003年5月28日には、「夏が来る」の続編と言える楽曲「夏が来る、そして…」が発表されました。前作の成功を受け、新たな視点で夏の情景と心情を描いた作品として注目を集めました。

まとめ

「夏が来る」は、大黒摩季の代表曲であり、時代背景やアーティスト自身の心情、そして音楽的な魅力が融合した、まさに名曲と言えるでしょう。その後の作品にも影響を与え、大黒摩季のキャリアにおける重要な一曲として、長く愛され続けています。

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