夏の惑星

T-SQUAREの19枚目のアルバム『夏の惑星』は、1994年4月21日にリリースされました。全8曲が収録されており、夏をテーマにした爽快感あふれる内容が特徴です。初期の作品、『R・E・S・O・R・T』の頃を彷彿とさせる、心地よいサウンドが展開されています。

アルバム収録曲の中でも特に注目されるのは、以下の楽曲です。

夏の蜃気楼: イントロ部の印象的なコーラスは、サックス奏者の本田雅人によるものです。山下達郎からの影響を感じさせる、美しいハーモニーが特徴です。
NO MORE TEARS: 則竹裕之が初めて作曲を手掛けた作品です。和泉宏隆に作曲法を師事したという背景があり、彼の音楽的な才能が垣間見えます。
BAD MOON: 本田雅人が得意とするテクニカルナンバーで、正確なビート感とポリリズム、転調が多用されています。T-SQUAREの楽曲の中でも特に難易度が高いとされ、「MEGALITH」と並び称されるほどです。実はこの曲には、さらに難易度の高い姉妹曲「Good Moon」が存在します。「Good Moon」は、本作の2作前のアルバム『IMPRESSIVE』のために作曲されましたが、難しすぎるという理由で採用が見送られ、2000年に本田雅人のソロアルバムで発表されました。本田雅人は「MEGALITH」と「BAD MOON」を非常に気に入っており、T-SQUARE退団後も自身のリーダーバンドで演奏しています。
SWEET SORROW: 非常に高い評価を受けている楽曲で、近年では睡眠時に聴く女性が増えています。NHK-FMでも使用されることがあります。

「BAD MOON」と「SWEET SORROW」は、TVQ九州放送のオープニング・クロージングBGMにも採用されました。

収録曲

1. 夜明けのビーナス - 作曲: 安藤まさひろ
2. COPACABANA - 作曲: 安藤まさひろ
3. 夏の蜃気楼 - 作曲: 本田雅人
4. NO MORE TEARS - 作曲: 則竹裕之
5. SEASON - 作曲: 安藤まさひろ
6. BAD MOON - 作曲: 本田雅人
7. SENTIMENTAL REASON - 作曲: 安藤まさひろ
8. SWEET SORROW - 作曲: 和泉宏隆

ブラスアレンジは本田雅人、ストリングスアレンジは奥慶一が担当しています。

参加ミュージシャン

T-SQUARE
安藤まさひろ - Electric Guitar, Acoustic Guitar, Computer Programming
和泉宏隆 - Piano, Keyboards, Synthesizer Programming
則竹裕之 - Drums, Percussion, Computer Programming
須藤満 - 5Strings & 6Strings Fretless Bass
本田雅人 - All Woodwinds & Brass Instruments, Ewi, Voice, Keyboards, Computer Programming
Additional Musicians
荒木敏男 - Trumpet（#3, #6）
小林正弘 - Trumpet（#3）
山本拓夫 - Tenor Saxophone（#6）
村田陽一 - Trombone & Bass Trombone（#3）
篠崎正嗣グループ - Strings（#2, #8）

チャート成績

本作は、日本ゴールドディスク大賞 第9回(1994年度) アルバム賞･ジャズ部門(邦楽)を受賞しました。

『夏の惑星』は、T-SQUAREの音楽性の幅広さと、各メンバーの才能が光る作品として、現在も多くのファンに愛され続けています。

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