夏もの

AAA 15thシングル「夏もの」：7人体制最後の記録

2007年7月18日、エイベックス・トラックスより、AAA(トリプル・エー)の15枚目のシングル『夏もの』が発売されました。前作から約2ヶ月という短いスパンでのリリースで、AAAにとって大きな転換期を象徴する作品となりました。

最大の特長は、トリプルA面シングルとして発表された点です。それまでAAAは両A面シングルを4枚リリースしていましたが、3曲を主軸とした作品は本作が初めてとなります。この3曲「SUNSHINE」「No End Summer」「花火」は、それぞれ異なる魅力を持つ楽曲で、グループの幅広い音楽性を示しています。

さらに、『夏もの』は、メンバーの後藤友香里の脱退後、初めてリリースされた作品でもあります。2007年6月11日に脱退が発表され、このシングルには後藤は参加していません。7人体制での最後の作品として、多くのファンにとって感慨深いものとなりました。

CDは4種類の形態で販売されました。「CD ONLY」に加え、「CD+DVD」が3種類あり、それぞれ「SUNSHINE」「No End Summer」「花火」のミュージックビデオが収録されています。「CD ONLY」には、ボーナス・トラックとして「ハリケーン・リリ、ボストン・マリ [People of the sun MIX]」が収録されています。

また、購入者特典として、対象店舗でトレーディングカードがプレゼントされました。新星堂では「SUNSHINE ver.」全8種、タワーレコードでは「4th ATTACK LIVE ver.」全7種、TSUTAYA RECORDSでは「No End Summer ver.&花火 ver.」全9種が用意され、ファンはコレクションに熱中しました。

楽曲の詳細を見ていきましょう。

SUNSHINEは、AAAの全メンバーが参加したアップテンポな楽曲です。ミュージックビデオの撮影中には、たこが釣れたというエピソードも残っています。この曲は日本テレビ系『スポーツうるぐす』のテーマソングとして起用され、AAAにとって2度目のテーマソング提供となりました。先行配信された着うたは、AAAを新たな音楽シーンへと導くきっかけとなりました。また、ゴールデンタイムでのテレビ初出演を果たした『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』でも披露されています。2020年には、宇野実彩子が自身のYouTubeチャンネルで「SUNSHINE」の歌ってみた動画を公開し、再び注目を集めました。

No End Summerは、男性メンバー5人による楽曲です。AAAの楽曲ではボーカルは西島隆弘と浦田直也、ラップは日高光啓が担当することが多かった中、この曲では末吉秀太と與真司郎にもソロパートが与えられ、新たな魅力を引き出しています。

花火は、宇野実彩子と伊藤千晃によるデュエットソングです。ミュージックビデオでは、二人の浴衣姿が印象的な美しい映像となっています。

『夏もの』は、AAAの大きな転換期における貴重な作品です。7人体制最後のシングルであると同時に、トリプルA面という挑戦的な試み、そしてそれぞれの楽曲の持つ個性、そして様々なプロモーション活動は、グループの成長と成熟を物語るものでした。この作品は、AAAの歴史において重要な位置を占め、多くのファンの記憶に刻まれていることでしょう。

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