夏目家の妙な人々

『夏目家の妙な人々』は、わかつきめぐみ氏による漫画作品です。講談社の『デザート』とその増刊号で1997年から連載されました。単行本は講談社と白泉社からそれぞれ刊行されています。

本作は、作者の別作品『きんぎんすなご』に登場する夏目蒼一郎とその家族の10年前を舞台にしたスピンオフ作品です。物語は、高校生時代の蒼一郎を中心に、家族や周囲の人々との騒がしくも温かい交流を描いています。

あらすじ

主人公の夏目蒼一郎は、奇妙な言動で学校では有名な存在。そんな彼を中心に、売れない画家の父、会社員の母、そして三つ子の兄弟たちが織りなす日常が描かれます。夏目家は、それぞれが強い個性と自己主張を持ち、常に本音でぶつかり合うような、エネルギッシュな家族です。

物語は、夏目家の隣に引っ越してきた高村実加子・久里子姉妹との出会いをきっかけに、さらに賑やかさを増していきます。特に妹の久里子は、蒼一郎を一方的に彼氏扱いし、彼を困惑させます。当初、蒼一郎の言動に反感を抱いていた実加子も、夏目家の本音でぶつかり合う姿に次第に惹かれていきます。

主な登場人物

夏目 蒼一郎（なつめ そういちろう）

本作の主人公。『きんぎんすなご』登場時の10年前の高校生時代が描かれています。池の鯉と本気で喧嘩をするなど、学校では変人として知られています。マイペースな性格で、周囲を巻き込みながらも自分のペースを崩しません。
高村 実加子（たかむら みかこ）

夏目家の隣に引っ越してきた姉妹の姉。母子家庭で育ったため、当初は蒼一郎の言動に反感を抱いていましたが、夏目家の温かさに触れるうちに心を開いていきます。
高村 久里子（たかむら くりこ）

実加子の妹で、小学生。蒼一郎を一方的に彼氏扱いし、周囲を巻き込む騒動を起こします。
夏目 紅一郎（なつめ こういちろう）/ 夏目 橙一郎（なつめ とういちろう）

蒼一郎の双子の兄弟。毒舌家の紅一郎と、温厚そうに見えて辛辣な一言を放つ橙一郎。兄弟でありながら、激しい応酬を繰り広げます。名前の由来は、両親である「はるちゃん」と「すみちゃん」が三原色から安易につけたと信じている。
* はるちゃん / すみちゃん

夏目三兄弟の両親。父親は売れない画家で主夫。近所の子どもたちからは「はるちゃん」と呼ばれています。母親は会社員で一家の家計を支えており、夫からは「すみちゃん」と呼ばれています。子どもたちに負けず劣らず個性的で、エネルギッシュな日々を送っています。


『夏目家の妙な人々』は、個性的なキャラクターたちが織りなす、笑いと感動に満ちた家族の物語です。本音でぶつかり合いながらも、互いを思いやる夏目家の姿は、読者の心を温かくしてくれるでしょう。

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