夏神

ゲーム概要

『夏神』（なつかみ）は、アトリエかぐや TEAM HEARTBEATにより2008年1月25日にリリースされた成人向けのミステリアスアドベンチャーゲームです。本作は、プレイヤーが主人公・十河陸となり、彼の故郷や周囲の人々との関係を深めていきながら、島に隠された秘密を探求していく物語が展開されます。

ストーリー

共通ルート

物語は、過去の海難事故で両親を失った十河陸が、10年ぶりに潮見島へ帰郷するところから始まります。陸は幼馴染の高里七瀬の家に下宿し、新たな生活をスタートさせるものの、彼の周りには多くの因習や伝承が存在します。陸は同じく郷土史研究会に参加し、島の支配者である幾島家に禁じられた姫島で不思議な白い花と洞窟を発見します。これを契機に、彼は島の裏側に潜むミステリーと向き合うことになります。

個別ルート

桂沙ルート

陸は幼馴染の三雲桂沙と再会し、恋人同士となります。しかし、ある出来事をきっかけに、幾島家と対立することに。桂沙の兄、竜也が麻薬取締官として幾島家を調査し、家族がその影響を受けることになります。挙げ句の果てに、彼らは夏祭りと別の祭りの裏に潜入し、幾島家の暗躍を暴くことに成功します。

小夜歌ルート

磯嶋小夜歌という少女と出会い、彼女が媛神の巫女であることを知っていく陸。夏祭りの日、小夜歌が儀式に参加することになり、陸は彼女を助けるため奔走します。しかし、儀式の背後には恐ろしい真実が待ち構えていました。最終的には、友人の杏珠が自らを犠牲にして、幾島家を倒すための火を放つ決断をするという、悲劇的な展開を見せます。

透子ルート

郷土史研究会の部長、加賀見透子が登場し、島の秘密をさらに調査しようと提案しますが、島民たちからの反発を受けることになります。透子は自身と幾島家の嫡男要との過去に絡む陰謀に巻き込まれ、自身の身を守るために、逆に媛神になりすますという大胆な行動に出ます。彼女は陸と共に幾島家の逮捕を目論みますが、さらなる困難が待ち受けていました。

七瀬ルート

透子ルートのその後、陸は七瀬との関係を深めますが、彼らの周囲では不穏な事件が続発します。つぐみや桂沙の死という悲劇が訪れ、七瀬も自ら命を絶とうとしますが、透子の力によって彼女は救済され、そして陸との運命は再び交錯します。最後には、10年前の事件を訂正するための重大な選択が求められることになります。

伝承

潮見島の背景には、流刑地としての歴史が根底にあり、沖姫という貴族の娘の物語があります。彼女の運命と、島民たちが奉る媛神の存在が、ゲームのテーマをさらに深めています。美しい自然の中に潜む恐ろしい因習や伝説が、物語を引き立てています。

登場人物

• - 十河陸: 物語の主人公、潮見島学園の学生。
• - 高里七瀬: 陸の幼馴染で、彼の生活を支える存在。
• - 三雲桂沙: 陸の友人であり、運動神経抜群な少女。
• - 磯嶋小夜歌: 媛神の巫女としての役割を持つ少女。
• - 加賀見透子: 郷土史研究部の部長で、探求心あふれる先輩。
• - 幾島家: 島を牛耳る権力者たち。

本作は、友情と愛、因習と悪との戦いを描いた重厚なストーリーが魅力であり、深い感情移入を促します。

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