夏色のおもいで

夏色のおもいで

「夏色のおもいで」は、1973年10月5日にリリースされたチューリップの第4シングルです。ボーカルを担当するのは姫野達也で、この作品は彼らの名曲の一つとして知られています。曲が作られる過程には、初期のアイデアや多くの出会いが詰まっています。

最初は「風の涙」というタイトルで、財津和夫が作詞・作曲を手掛けていました。途中、この曲はバッドフィンガーの音楽から影響を受けていることもあり、期待が高まりました。しかし、歌詞が適さないとされ、プロデューサーの新田和長の判断で、松本隆に新たな歌詞を依頼します。この変更が結果的に曲の運命を変えることになります。オリジナルの歌詞「風の涙」については、現在も公表されていないため、その存在は謎に包まれています。

このシングルは、松本隆にとって職業作詞家としてのデビュー作でもあります。この作品を聴いた作曲家の筒美京平が絶賛し、松本と筒美の協力関係が誕生するきっかけとなったのです。彼らが共に創り出す音楽は、その後多くの名曲を生み出し、日本の音楽界に大きな足跡を残しました。

「夏色のおもいで」は、チューリップのライブでも頻繁に演奏されており、その人気は衰えることがありません。また、姫野達也は1985年にチューリップを脱退後、オールウェイズを結成し、この曲を取り上げ続けています。特にオールウェイズでは、姫野の歌声が存分に活かされています。

収録内容

シングルに収録された楽曲は以下の通りです。
1. 夏色のおもいで
作詞：松本隆
作曲：財津和夫
編曲：川口真・チューリップ
2. しっぽの丸い小犬
作詞・作曲：財津和夫
編曲：チューリップ

「しっぽの丸い小犬」は、財津がボーカルを務めたB面の楽曲であり、ライブでは姫野が歌うことが多くなり、時には姫野がボーカルを取る人気曲となりました。チューリップの第二期にわたり多く演奏され、2014年のソロツアーでも財津が久しぶりにボーカルを担当しました。

曲のテーマ

「夏色のおもいで」は、子犬が自然を求めて都会を離れようとするという見事な物語を描いています。この歌詞は、聴く人に感情を呼び起こし、青春の思い出や憧れを思い起こさせる力を持っています。

カバーアーティスト

この曲は多くのアーティストにカバーされており、以下のようなバージョンが存在します。

• - 南沙織の『夏の感情』（1974年）
• - 桜田淳子（ライブ盤）
• - オールウェイズ（1993年）
• - 綿内克幸（1996年）
• - Something ELse|Something_ELseの『夏唄』（2004年）
• - 宮崎あおいが登場したトリビュートアルバム（2015年）
• - 財津和夫自身がソロライブで演奏（アルバム『財津和夫 90s 未発表LIVE音源集 Vol.03』に収録）
• - 吉岡聖恵が参加したトリビュートアルバム（2021年）

「夏色のおもいで」は、1973年という時代を超え、今もなお多くの人々に愛され続けている作品です。その歌詞の美しさやメロディの魅力は、時代を経ても色褪せることなく、多くの後続アーティストに影響を与えています。

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