夕なぎ (1972年の映画)

映画『夕なぎ』：愛と葛藤が織りなす人間ドラマ

『夕なぎ』（原題：César et Rosalie）は、1972年に公開されたフランス・イタリア・西ドイツの合作映画です。クロード・ソーテが監督を務め、イヴ・モンタンとロミー・シュナイダーが主演を務めました。

あらすじ

物語の主人公は、30代半ばの通訳者ロザリー。離婚後、幼い娘カトリーヌを育てながら暮らしています。ある日、彼女は金属解体業を営むエネルギッシュな中年男性セザールと出会い、恋に落ちます。セザールはロザリーに夢中で、2人はアパルトマンで半同棲を始めます。

そんなある春の日、ロザリーの母リュシーの結婚パーティーが開かれ、親族や友人たちが集まります。その中には、バンド・デシネ作家のダヴィッドの姿もありました。ダヴィッドは、かつてロザリーと深い関係にあり、穏やかで繊細な性格の持ち主です。久しぶりの再会に動揺を隠せないロザリーでしたが、無視するわけにもいかず、彼に声をかけます。たちまち親密な雰囲気になる2人を、セザールは複雑な表情で見つめていました。

この日を境に、ロザリー、セザール、ダヴィッドの3人の間で、恋、嫉妬、友情が入り混じった複雑な三角関係が始まっていくのです。

キャスト

セザール：イヴ・モンタン
ロザリー：ロミー・シュナイダー
ダヴィッド：サミ・フレー

受賞

イヴ・モンタン：ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞 海外男優賞
* クロード・ソーテ、ジャン＝ルー・ダバディ：ジャン・ル・デュック賞

映画が描くもの

『夕なぎ』は、大人の男女の複雑な感情を繊細に描いた作品です。ロザリーは、セザールの情熱的な愛に惹かれながらも、ダヴィッドの穏やかさにも惹かれます。セザールは、ロザリーを愛するがゆえに、ダヴィッドへの嫉妬心を抑えられません。ダヴィッドは、ロザリーへの未練を抱えながらも、彼女の幸せを願っています。

登場人物たちの心の揺れ動きを丁寧に描き出し、観る者に「愛とは何か」「幸せとは何か」を問いかけます。

まとめ

『夕なぎ』は、愛、嫉妬、友情が複雑に絡み合う大人の三角関係を描いた傑作です。イヴ・モンタン、ロミー・シュナイダーをはじめとする俳優たちの演技、クロード・ソーテ監督の演出、美しい映像が一体となり、観る者の心に深く残る作品となっています。

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