外側腓腹皮神経

外側腓腹皮神経について

外側腓腹皮神経（英語: Lateral sural cutaneous nerve、ラテン語: nervus cutaneus surae lateralis）は、膝窩において総腓骨神経から分岐する感覚神経です。この神経は、下腿の後面および外側面の皮膚に感覚を伝えます。

走行

外側腓腹皮神経は、膝窩で総腓骨神経から分かれた後、腓腹筋の外側頭を乗り越えるように、下外側方向へ筋膜の下を走行します。そして、腓腹筋の中央付近で筋膜から皮下へと出て、皮膚へと分布します。

腓腹神経への関与

外側腓腹皮神経は、腓腹神経の形成にも関与することが知られています。

一般的には、腓骨頭の高さで交通枝を出し、この交通枝と脛骨神経から分岐する内側腓腹皮神経が合流して腓腹神経となります。しかし、約3割のケースでは、腓腹神経がこの交通枝を含まない場合があります。また、稀に（約1%のケース）、外側腓腹皮神経そのものが腓腹神経となることもあります。

このように、腓腹神経の形成には多くの異型が存在します。ラマクリシュナンは、これらの異型を6つのパターンに分類しました。さらに、2021年にはSteelらが、ラマクリシュナンの分類に当てはまらないケースとして、外側腓腹皮神経と内側腓腹皮神経それぞれに由来する腓腹神経が並走するケースが14.42%の頻度で見られると報告しています。これは、腓腹神経の形成が非常に多様であることを示唆しています。

関連事項

神経解剖学
仙骨神経叢

参考資料

* Cutaneous Fields of Peripheral Nerves

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