外口玉子

外口玉子 (とぐち たまこ) の生涯と業績

外口玉子（とぐち たまこ、1937年12月16日 - 2022年3月12日）は、日本の著名な政治家、保健師、看護師として知られています。彼女は衆議院議員を一期務め、社会福祉法人かがやき会の理事長としても活躍しました。衆議院議員としては、障害者や子供、高齢者の福祉問題に身を捧げました。

学歴とキャリアの初期

1960年、東京大学医学部衛生看護学科を卒業した外口は、大学の助手として教壇に立ち、その後、国立武蔵野療養所の看護婦長に就任します。1969年には渡米し、ボストン大学に留学し、精神疾患を持つベトナム帰還兵たちのケアに従事しました。1971年には、同大学大学院の看護学部修士課程を修了し、帰国後は東京都精神医学総合研究所の主任研究員として福祉分野への貢献を続けます。

彼女は1986年に精神障害者の社会参加と地域での生活を目指した「地域ケアセンター」を創設し、1989年には社会福祉法人かがやき会を設立しました。この法人は精神障害者に優しい社会の実現に向けた基盤を築くことに貢献しました。

政治における活動

外口は市民グループの支援を受けて1990年の総選挙で、旧・東京4区から無所属で立候補しました。日本社会党の党員ではあったものの、党の公認を得ることはできませんでしたが、推薦を受けて選挙に挑み、当選を果たしました。国会では障害者、高齢者、子供の福祉問題について積極的に議論を重ねました。

1993年の選挙では、護憲の姿勢を強く打ち出しましたが、支持が得られずに落選。1994年には社会党から離党しました。彼女の政治理念は、一貫して社会的弱者の支援にあったといえます。

政治引退後の活動

政界を退いた後も外口は精神障害者の支援に注力しました。1989年に設立した社会福祉法人かがやき会の理事長および地域ケア福祉研究所の所長として、福祉学の発展と精神障害者の生活支援に尽力しました。2020年には理事長を退任し、その後も彼女の理念は法人や研究所に息づいています。

著作

外口は多くの著書を執筆しています。代表的な著作には、共著『精神科看護の展開』や『問われ、問い続ける看護』、さらに『人と場をつなぐケア』、そして近年の『外口玉子の仕事世界60年』などがあります。これらの書籍は、看護や福祉の実践に対する彼女の深い理解と経験に基づいています。

政策と信念

外口は選択的夫婦別姓制度の導入に賛成しており、個人の権利や多様性の尊重に注力していました。彼女の活動と理念は、社会福祉や看護の分野で大きな影響を与え、多くの人々にとっての指標となっています。

晩年と死去

外口玉子は2022年3月12日に84歳で亡くなりました。彼女の遺した業績は、今なお多くの人々に影響を与え続けています。

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