看護
学部(かんごがくぶ)は、
大学内に設置される
学部で、
看護学の教育と
研究に特化しています。この
学部の設立は、急速に進展する高齢化社会に対応するため、看護職の人材を育成することを目的としています。1980年代末には11校しか存在しなかった看護
学部は、2021年までには275校に増加しました。この趨勢は、
看護学分野における専門知識を持つ人材が必要とされていることを示しています。
看護
学部に所属するほとんどの
大学は、
看護師を育成することを主要な目的としています。多くの場合、
看護学科は
医学部の一部として設置されていますが、近年は独立した看護
大学や看護
学部としての設立が増えてきています。卒業生には「
学士(看護学)」の学位が授与され、特に国立の看護
大学校や防衛医科
大学校で卒業する際には、
独立行政法人大学評価・学位授与機構への申請が求められます。
また、看護
学部では
助産師や
保健師を養成する専修科を設置している
大学もあり、さらに
養護教諭の資格を取得できるプログラムを持つ
学部も存在します。現状、通信制
大学による看護
学部や
看護学科の設立はなく、その理由は、
看護師の養成に必要なカリキュラムをすべて通信形式で履修することが難しいためです。
多くの看護
学部では
大学院において
看護学研究科が設けられており、それに加えて
医学研究科や保健学
研究科、医歯薬学総合
研究科などの医療系
大学院で
看護学が専門課程として位置づけられることもあります。
大学院卒業生には、場合によっては
医学や保健学の学位が授与されることもあります。
学生の多様化
以前は看護
学部の学生のほとんどが女性でしたが、近年では男性学生の割合も増加しています。この流れは、看護職への関心が広がっていることの表れです。さらに、
看護師の不足を背景に、各地で新しい看護
学部や学科が急増しています。しかし、教育の質や実習先の確保などの問題も存在し、現在の教育機関の淘汰が将来的に行われる可能性も否定できません。
今後の展望
今後、看護
学部に期待されるのは教育と
研究の質の向上です。専門職のニーズに応じた教育が行われることで、看護職の質が高まり、より多くの人々の健康を支えることが可能になります。また、看護
学部以外の名称で
看護師養成を行う
大学も増加しており、国際看護
学部や
医療創生大学、大手前
大学などがその好例です。これにより、多様なアプローチで看護職を育成することが進められています。
関連項目
参考文献
一般社団法人日本看護系
大学協議会