外国人庁

外国人庁（仮称）とは

外国人庁とは、日本における外国人受け入れに関する政策を一元的に担うことを想定して、経済界や地方自治体が政府に設置を要望している行政機関の仮称です。この構想は、外国人労働者の受け入れ増加や多文化共生社会の実現に向けた課題に対応するために議論されています。

日本経済団体連合会の提言

日本経済団体連合会（日本経団連）は、2004年4月14日に「外国人受け入れ問題に関する提言」を発表しました。この提言の中で、「外国人庁（仮称）の創設検討」を盛り込み、外国人受け入れに関する政策の一元化を提唱しました。これは、当時の日本社会が抱えていた外国人労働者の受け入れや在留管理に関する課題を解決するため、政府がより組織的な対応をする必要性を訴えたものです。

外国人集住都市会議の提言

外国人住民との多文化共生を目指す地方自治体によって2001年に結成された外国人集住都市会議も、外国人庁の設置を強く求めています。同会議は、2008年10月、2009年11月・12月、2010年11月と3年連続で、外国人庁（仮称）の設置を提言しました。この提言は、外国人住民が地域社会に円滑に統合されるためには、国レベルでの一元的な政策推進が必要であるという認識に基づいています。

外国人庁設置の必要性

外国人庁の設置構想は、外国人労働者の受け入れ増加や多文化共生社会の実現に向けた課題に対応するために議論されています。具体的には、入国・在留管理、外国人労働者の雇用、社会保障、教育、医療など、多岐にわたる分野での政策を総合的に推進することを目的としています。これらの政策を一つの機関で一元的に管理することで、より効率的で効果的な外国人受け入れ政策が実現すると期待されています。

関連機関

外国人庁の設置構想に関連して、以下のような機関も存在します。

出入国在留管理庁: 既に出入国管理を担う行政機関ですが、外国人庁構想はより広範な外国人政策を対象としています。
公務員庁: 民主党などが設置を構想したものの未設置の機関の一つで、構想の一部が内閣人事局として実現しました。外国人庁と同様に、行政改革の一環として議論されていました。
歳入庁: 民主党などが設置を構想したものの未設置の機関の一つです。税収に関する業務を一元化する目的で構想されました。
海上公安局: 設置法が国会で成立して公布されたものの施行されることのないまま廃止された法執行機関です。海上保安庁が改組されて設置される予定でしたが、海上保安庁のまま維持されました。これらの機関は、外国人庁と同様に、行政組織の再編や効率化を目的とした構想として議論されたものです。

まとめ

外国人庁（仮称）は、外国人受け入れに関する政策を一元的に担うことを目的とした行政機関の構想です。経済界や地方自治体からの設置要望が高く、多文化共生社会の実現に向けて、その必要性が議論されています。今後の社会情勢や政策動向によって、設置される可能性もあります。

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