公務員庁

公務員庁（こうむいんちょう）

公務員庁は、自民党が行った選挙でのマニフェストに基づいて新設が提案された公的機関です。その主な目的は、国家公務員の総人件費を約20%削減することでした。このアイディアは、2010年4月22日に行われた地域主権・規制改革研究会の提案に端を発しています。その後、この計画は第22回参議院議員通常選挙の候補者公約にも取り入れられました。

経緯について

民主党は、政権を掌握した第45回衆議院議員総選挙において、国家公務員の総人件費を削減するという強力なマニフェストを掲げました。しかし、従来の人事院勧告制度に基づく現状では、この目標を達成するのは困難であると判断せざるを得ませんでした。そのため、民主党は新たに公務員庁を設置し、国家公務員に労働協約を結ぶ権利を与えるという改革を進めることとなりました。

2010年12月、政府の国家公務員制度改革推進本部は、民主党の公務員制度改革・総人件費改革プロジェクトチームに対して、公務員庁の新設を含む改革案を提示しました。この案は、現在の制度で分散して管理されている給与制度、定員管理、人件費に関する権限を統合し、公務員庁が一元的に管理することを目指していました。

法案提出とその後

公務員庁設置のための法案は、2011年6月3日に国会に提出されましたが、その後は衆議院での継続審議となりました。第177回国会から第181回国会まで継続して審議されましたが、衆議院の解散によりこの法案は廃案となりました。こうした経緯から、公務員庁構想は実現することなく終わることとなりました。

関連機関と未設置の機関

公務員庁の設置を意図して作成された関連機関は、内閣人事局や人事・恩給局、行政管理局、主計局給与共済課など多岐にわたります。また、税収管理を目的とする歳入庁や、外国人の管理を行う外国人庁など、民主党が構想したが未設置となった機関も存在します。こうした未設置機関は、政策実現の難しさを物語っています。特に、公務員庁の場合は、総務省や人事院の権限を集約し、一元管理を行うための試みであったため、その設立の難しさは際立っています。

結論

公務員庁は、日本の公務員制度とその運用に重大な影響を与える可能性を持つ新たな機関として提案されましたが、法案の成立には至らず、設置されることはありませんでした。この課題は、将来的な公務員制度改革の際に再浮上する可能性があります。

もう一度検索