外方次元界

外方次元界 (Outer Plane) とは

ダンジョンズ&ドラゴンズ (D&D) において、神々が住まう神界、あるいは死者の霊が死後の褒賞や裁きを受ける霊界として設定された次元界の総称を「外方次元界」と呼びます。アウター・プレインとも呼ばれます。

概要

外方次元界は、神界、霊界、信仰界とも呼ばれ、諸神格のような存在や、デーモン、セレスチャル、デヴィルなどの異世界のクリーチャーの住まいとなっています。各外方次元界は特定の道徳観や規律観の属性を物理的に顕現しており、そこに住まう存在はその属性に関連した特徴を具現化していることが多いです。

理想、哲学、神々といった深遠な概念を体現する外方次元界は、現実や力と物質の領域である内方次元界とは対照的です。

外方次元界は空間的には無限ですが、有限の範囲の特性と場で構成されています。多くの外方次元界は、階層と呼ばれる無限に分かれた亜次元の集合から成り立っており、各階層はその次元界の特定の側面や主題を象徴しています。例えば、バートルの地形は9つの階層からなり、ダンテの神曲で描写された地獄を想起させます。さらに、各階層には、個々の神格、あるいは複数の神格の住まいである領地が存在する場合があります。

D&D標準宇宙観

D&D標準宇宙観においては、17の外方次元界が存在します。宇宙論的には、そのうち16の次元界は環状に配置されており、善の属性を持つ次元界（上方次元界）は上部に、悪の属性を持つ次元界（下方次元界）は下部に配列されます。秩序の属性を持つ次元界（法の次元界）は左に、混沌の属性を持つ次元界（混沌の次元界）は右に配置されます。これら全ての中間には、中立の属性を持つ次元界（対立次元界）が存在します。さらに、環の中央にはアウトランズという次元界があり、属性は真なる中立であり、環を成す他の16の外方次元界全てと隣接しています。アウトランズの中央には計り知れない高さの巨塔があり、その頂上にはシギル市が浮かんでいます。

D&D標準宇宙観は、プレーンスケープとグレイホーク・キャンペーンセッティングで使用された公式の宇宙観です。次元界の別名の多くは、第1版のマニュアル・オブ・ザ・プレインズに由来しており、プレーンスケープ・セッティングでは、これらの別名は「無知」な、または外方次元界に不慣れな物質界から来たキャラクターによって使用されると解説されています。

フォーゴトン・レルムの宇宙観

フォーゴトン・レルムの宇宙観は、元来D&D標準キャンペーンと同一のものでしたが、第3版では大幅な変更が加えられました。物質界トリルを中央の「幹」に見立てた樹のような構造に、26の外方次元界が配置されました。D&D標準宇宙観が属性に基づくのに対し、フォーゴトン・レルムの宇宙観における外方次元界は信仰に基づいています。

フォーゴトン・レルムの諸次元界は、第4版の新たな既定宇宙観と適合させるために再編成され、多くの次元界や領域がアストラル海に移動され、一部が元素の混沌に配置されました。

エベロンの宇宙観

エベロンの宇宙観は、オリジナルのエベロン・キャンペーンセッティングで使用され、第3版では13の外方次元界、第4版では2つの外方次元界が存在します。これらはD&D標準宇宙観に似た特徴を持ちますが、イリアン、マバール、フェルニア、リシアなどはより内方次元界に似ています。この宇宙観はユニークで、各外方次元界がアストラル界内でエベロンの周囲を公転しており、物質界との距離が変化することで、それらの次元界との接近手段が容易になったり困難になったりします。

エベロン・キャンペーン・セッティングの第5章も参照してください。

他の多くのD&Dキャンペーンセッティング同様に、第3版D&Dのエベロンは多くの次元界を持ちます。エベロン・キャンペーン・セッティングは、13の比較的ユニークな外方次元界の他に、物質界、エーテル界、影界、アストラル界が存在します。いずれかの次元界への門または入り口は非常に珍しいものです。これら13の次元界は非物質的にエベロンの周囲を公転しており、その現在位置によって4つの状態にあるとみなされます。

満ち／欠け：次元界はエベロンに近づきつつある／遠ざかりつつある。次元界間の移動は通常に行われる。
隣接：次元界は実際にエベロンと接触し、エベロン上である特定の効果が強化される。また、適切な場所に赴くことにより、次元界間の移動が可能な場合がある。例えば、“氷の平原”リシアが隣接している場合、ブリザードに進入することによりエベロンからリシアに入ることができるかもしれません。門を護る者として知られるドルイド達の封印により、“狂気の領域”ゾリアットはエベロンと隣接することはありません。
* 遠方：次元界はエベロンから最も離れ、エベロン上である特定の効果が弱化される。また、遠方の次元界にはプレイン・シフトの呪文で到達するのが困難になり、高難易度の〈呪文学〉判定が必要となります。クォーリとゼンドリックのジャイアント間の紛争により、ダル・クォールはエベロンから常に遠方にあるものとみなされます。

第4版の宇宙観

第4版では、外方次元界の多くはアストラル海にある領界に置き換えられました。既知の領界にはセレスティアと九層地獄があります。アビスは例外であり、これは現在、元素の混沌に位置しています。

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