外核

外核とは

外核は、地球の内部構造を構成する主要な層の一つであり、地球の中心にある内核のすぐ外側、そしてマントルの内側に位置しています。この層の厚さは約2266キロメートルにも及び、地球内部において重要な役割を担っています。

構造と組成

外核は、地球の核を構成する二つの層のうち、外側の層です。内核との境界にはレーマン不連続面があり、マントルとの境界にはグーテンベルク不連続面が存在します。これらの境界は、地球内部の物理的な性質が大きく変化する場所を示しています。

外核の密度は9900kg/m³から12200kg/m³と非常に高く、これは主成分が鉄とニッケルであるためと考えられています。また、微量の硫黄や酸素も存在している可能性があります。外核は液体状態にあり、その温度は最も外側の部分で約4400℃、内核に近い部分では約6100℃にも達すると推定されています。このような高温状態にもかかわらず、外核は固体化するほどの圧力を受けていないため、液体のまま存在しています。

流体としての性質

外核は粘性の低い流体であり、その粘度は地表にある液体金属の約10倍とされています。この流体は乱流を起こしながら熱を循環させており、その性質は地震波の伝わり方からも確認できます。P波は外核を通過しますが、S波は完全に減衰してしまいます。これは、液体がせん断応力に対応できない、すなわち力を受けるとすぐに変形して圧力を逃がすという性質によるものです。

地磁気の生成

外核は、地球の磁場である地磁気の生成に深く関わっています。外核は導電性を持つ流体であり、その運動と磁場の相互作用を考える磁気流体力学が応用されています。この理論に基づくと、外核内部の流体運動によって渦電流が生じ、これが地磁気を発生させていると考えられています。地球の外核における地磁気の強さは、平均で25ガウスにも達し、地表の地磁気の約50倍にもなります。

内核の成長

外核からマントルへと熱が移動するにつれて、外核の液体部分のうち内核との境界に近い部分が徐々に固体化し、内核が成長していると考えられています。この内核の成長速度は、年間約1ミリメートルと推定されています。

生命への影響

もし外核による磁場の生成がなければ、地球の環境は大きく異なっていたでしょう。外核の液体金属の対流によって生成される地磁気は、地球の周囲に広がり、太陽風をそらす役割を果たしています。この磁場がなければ、太陽風が直接地球の大気に作用し、大気が徐々に剥ぎ取られ、生命が住みにくい環境になっていた可能性があります。地球が生命を維持できる惑星であり続けるために、外核は重要な役割を果たしているのです。

関連項目

地球の構造に関する詳細な情報'>地球#構造

参考文献

Outer core from universetoday.com

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