多々良車両基地

多々良車両基地

西日本鉄道（西鉄）が運営する鉄道施設の一つで、福岡市東区箱崎七丁目に所在する多々良車両基地は、同社の貝塚線における唯一の車両基地としての機能を担っています。この施設には、車両の保管・留置だけでなく、整備や検査を行う工場も併設されており、貝塚線の安定運行を支える上で極めて重要な拠点となっています。

歴史

その開設は、現在の西鉄貝塚線の前身である博多湾鉄道汽船貝塚線が開業した時期に遡ります。路線の誕生と時を同じくして設けられたこの車両基地は、長年にわたり時代の変遷を経て、西鉄宮地岳線、そして現在の西鉄貝塚線に至るまで、一貫して車両の管理・保守を担ってきました。

位置と規模

多々良車両基地は、西鉄貝塚線の終点である貝塚駅のすぐ北側、特に西鉄新宮駅方面へ向かう列車の進行方向に対して右手、つまり本線の東側に位置しています。敷地面積は約18,000平方メートルにも及び、広大な敷地内に多数の留置線や工場施設が配置されています。列車がこの車両基地に出入りするための線路は、貝塚駅側に接続しています。

機能

この施設は、貝塚線で使用される全ての車両の「家」としての役割を果たしています。夜間の留置はもちろん、日常的な点検や清掃、さらには定期的な検査や修理といった重整備まで、幅広いメンテナンス業務がここで行われています。特に併設された工場は、車両を安全な状態に保つために不可欠な機能を担っており、専門的な技術者によって車両の健康状態が常に管理されています。

名称の由来

興味深い点として、この車両基地の名称である「多々良」は、現在の西鉄貝塚線内のどの駅名にも使われていません。この名称の由来は、かつて貝塚駅が「西鉄多々良駅」という名前で開業していた過去にあります。駅名が現在の「貝塚駅」に改称された後も、この車両基地は開業当時の「多々良」の名を引き継ぎ、その歴史を今に伝えています。

まとめ

多々良車両基地は、西鉄貝塚線という地域に密着した鉄道路線の運行を舞台裏で支える心臓部と言えます。車両の安全と安定した供給を確保することで、日々多くの利用者が安心して鉄道を利用できる環境が維持されています。日本の数ある車両基地の中でも、その歴史と地域における役割という点で特筆すべき存在です。

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関連項目

* 日本の車両基地一覧

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