多摩 (軽巡洋艦)

軽巡洋艦 多摩

多摩（たま）は、1921年に竣工した日本海軍の二等巡洋艦、すなわち軽巡洋艦です。彼女は球磨型の2番艦であり、その艦名は多摩川にちなんで名付けられました。艦の設計は当初の仕様に基づいて構築され、近代化改装を経て、様々な役割を果たしていきました。

竣工と初期の運用

多摩は大正6年（1917年）に造船が開始され、1920年に進水後、1921年に竣工しています。竣工後すぐに日本のシベリア出兵に伴う任務に従事し、同年の後半には第三戦隊の一員として活動しました。また、1925年にはアメリカ駐日大使エドガー・バンクロフトの遺体を送る任務に従事するなど、外交的な任務にも関与しました。

近代化改装とその後

1934年には舞鶴で大規模な近代化改装が行われ、航空兵装や艦橋構造の変更が施されました。特に、艦橋にはガラス窓が設置され、視認性の向上が図られました。対空兵装は強化され、さらに改装の際には復原性能の改善も施されました。

太平洋戦争での運用

多摩は太平洋戦争開始時から活躍し、特に1942年のキスカ島攻略作戦に参加しました。また、北方での行動中に損傷を受けることもあり、複数回の修理と改装が実施されました。1943年から1944年にかけても兵装の強化が行われ、対空兵装の充実や電探の設置がなされました。

最期とその影響

1944年のレイテ沖海戦では囮艦隊の一部として参加しましたが、25日のエンガノ岬沖海戦で甚大な損害を受け、アメリカの潜水艦による攻撃で沈没しました。艦長を含む全乗員が戦死し、多摩の喪失は日本海軍にとって大きな損失となりました。

戦後の評価

多摩の艦内神社は、戦後初めて2014年に慰霊式が行われるなど、戦没者の追悼が続いており、その歴史的意義は現在でも評価されています。艦歴を通じて、多摩は日本海軍の歴史の中で重要な役割を果たしました。

もう一度検索