多治見修道院

多治見修道院について

多治見修道院（たじみしゅうどういん）は、岐阜県多治見市に位置するカトリック神言修道会の修道院です。この修道院は、ドイツ人のモール神父によって、カトリック神言修道会の日本管区の本部修道院として1930年に設立されました。日本国内における司祭や修道士の育成を目的とし、多治見修道院は地域に根差した宣教活動と修練の場となりました。

施設の概要

多治見修道院は、木造のバロック建築で、地上3階、地下1階という構造を持っています。床面積は約3,000m²、敷地面積は約30,000m²に及びます。敷地内にはカトリック多治見教会をはじめ、ブドウ畑が広がっており、地域の信仰の中心として機能しています。

沿革

多治見修道院の設立以来、その歴史は地域の変遷とともに歩んできました。1948年には多治見駅近くにあったカトリック多治見教会が移転し、1962年には神言会の本部が名古屋市に移されましたが、多治見修道院は宣教師たちの活動の場として存続しました。1978年にカトリック多治見教会が再び修道院敷地内に移転し、1989年には研修センターが完成しました。

2015年、研修センターは簡易宿所としての許可を受け、多治見修道院の利用がさらに多様化しましたが、2023年3月にはこの研修センターが閉鎖されました。

現状と地域との関わり

多治見修道院は近年、老朽化が進んでおり、その管理を行っているカトリック神言修道会日本管区は解体方針を示しています。しかし、これに対し多治見市は耐震調査にかかる費用を負担する意向を示しており、地域の人々との強い結びつきを感じさせます。修道院が一時存亡の危機に直面した際には、多治見市民や地域の青年会議所が立ち上がり、保存運動を通じて修道院を救ったというエピソードも残っています。

ワイン製造の歴史

修道院の魅力の一つは、地下にあるワインの醸造・貯蔵設備です。1933年よりここで醸造される「修道院ワイン」は、敷地内のブドウ畑で収穫されたブドウを使用しており、太平洋戦争時には全国の教会にミサ用ワインとして供給された歴史があります。併設された売店では、この「修道院ワイン」をはじめ、ガレットやクッキーなども販売されており、訪れる人々に地域の特色を提供しています。

交通アクセス

多治見修道院へのアクセスは、公共交通機関を利用することができます。JR中央本線および太多線の多治見駅から徒歩で約30分、または「修道院」バス停で下車して徒歩で行くことができます。自動車の場合、中央自動車道の多治見ICから国道248号を経由し、国道19号の「上山町2」交差点を北上すれば到着します。

多治見修道院は、地域との歴史的なつながりと共に、現代においてもその存在意義を保ち続けています。歴史的・文化的価値を有するこの場所への訪問は、地域を知る貴重な機会となることでしょう。

もう一度検索