多治見駅

多治見駅：東濃地方の交通と商業の中枢

岐阜県多治見市に位置するJR多治見駅は、中央本線と太多線の接続駅として、地域経済や交通の要衝を担っています。1900年7月25日、名古屋駅から延伸された官設鉄道の終着駅として開業。その後、中央本線の一部となり、1926年には東濃鉄道の国有化に伴い太多線が接続、多治見駅はますます重要な交通拠点として発展を遂げました。

歴史と変遷

多治見駅の長い歴史は、明治時代初期にまで遡ります。官設鉄道の延伸によって途中駅となり、その後、線路名称の変更や東濃鉄道との統合などを経て、現在の規模にまで拡大しました。昭和天皇の行幸啓が行われた記録も残っており、地域にとって特別な存在であることが伺えます。

1987年の国鉄民営化後も、JR東海とJR貨物の駅として営業を継続。1989年には駅舎の改修と商業施設「ASTY多治見」の開業により、利便性の向上が図られました。2008年から2010年にかけて大規模な駅舎整備が行われ、橋上駅舎、自由通路、バリアフリー化が実現し、現代的な駅へと生まれ変わりました。この間、自動券売機、自動改札機の設置、ICカード「TOICA」対応など、利用者の利便性を向上させるための取り組みも積極的に進められました。

駅構造と機能

多治見駅は、単式ホーム1面1線と島式ホーム2面4線、計3面5線のホームを持つ地上駅です。直営駅であり、駅長・駅員が配置されています。中央本線古虎渓駅から釜戸駅間、太多線小泉駅、根本駅、姫駅などを管理する管理駅としての役割も担っています。JR全線きっぷうりば、自動券売機、自動改札機など、各種設備が充実しています。

中央本線は1番線が上り、3番線が下り本線となっており、特急「しなの」もこれらのホームを使用します。太多線は5番線が専用ホームです。かつては中央本線と太多線の直通運転もありましたが、現在は行われていません。

貨物駅

旅客駅の北側に位置するJR貨物多治見駅貨物取扱所は、東濃地区の鉄道貨物輸送の拠点となっています。1面1線のコンテナホームを持ち、12ftコンテナを取り扱っています。名古屋貨物ターミナル駅との間には高速貨物列車が1日1往復運行されています。

駅周辺と発展

多治見駅周辺は、駅舎の改良工事や市街地再開発により、大きく変化しました。駅北口には市役所駅北庁舎が完成し、新たな市街地が形成されています。駅南口には商業施設「ASTY多治見」があり、コンビニエンスストア、書店、飲食店などが集積し、買い物や食事にも便利です。多治見市役所、図書館、文化会館など公共施設も整備されており、生活拠点として充実した環境が整っています。

その他

かつては駅弁も販売されていましたが、現在は販売されていません。バス路線も充実しており、多治見市内や近隣の市町村へのアクセスも容易です。隣の駅は、中央本線では土岐市駅と古虎渓駅、太多線では小泉駅です。

多治見駅は、歴史と発展を刻んできた地域の中心駅として、今後も東濃地方の交通と商業の中枢を担っていくでしょう。

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