多田しげおのそれ行け!にっこりワイド

『多田しげおのそれ行け!にっこりワイド』は、CBCラジオ（中部日本放送）で平日の夕方、1980年10月6日から1992年4月3日まで、およそ11年半にわたり放送されたラジオのワイド番組です。

番組は平日16時台から17時台にかけて放送され、この時間帯に1時間を超えるワイド番組が新設される形となりました。メインパーソナリティを務めたのは、当時CBCアナウンサーだった多田しげお（当時は多田成男名義も使用）です。多田は、この番組が始まる直前まで深夜の若者向け番組『星空ワイド 今夜もシャララ』の水曜日を担当したり、テレビ番組の司会を務めていましたが、それらの番組を離れ、本番組の開始とともに平日夕方の顔となりました。また、多田は本番組と同じ時間帯で放送されていた前番組『ゴー・ゴー・ジュークボックス』の火曜日パーソナリティも務めていた経験があります。

番組タイトルの「多田しげお」というひらがな表記は、この番組をきっかけに使い始められたものです。オープニングテーマにはハーブ・アルパートの「The Continental」が、エンディングテーマにはチャック・マンジョーネの「Feel so Good」が使用されました。

番組は「気軽な社会派」をキャッチフレーズに掲げ、社会問題を身近に感じてもらうことを目指しました。1989年頃には、毎週7人のスタッフがテーマの候補を持ち寄り、その中から選ばれたテーマについて一週間にわたって取材を行い、その成果を放送するというスタイルをとっていました。取り上げるテーマは、政治や国際問題といった硬派なものから、自分の近所や身の回りで起こる気になる出来事といった身近なものまで、非常に多岐にわたりました。

番組後期には、1989年から番組終了の1992年3月まで、吉田直子と星野真美の二人が週替わりで多田とともにパーソナリティを務めました。

番組の構成は、時期によって若干の変動がありましたが、夕方の時間帯に必要な情報提供と、番組独自の企画やリスナーとの交流を盛り込んだ内容となっていました。初期の1980年代前半には、16時台に「ニュース」「株式市況」といった基本情報のほか、「ゼロへのイロハ」「多田成男のディスカバータウン」といった企画コーナー、そして「交通情報」「ちょっとひといき耳よりタイム」などが放送されていました。17時台には「ニュース」「今日のニュース・アイ」「明日のお天気」に加え、「マイクスナップ」などのコーナーがありました。また、TBSラジオ制作のJRNネット番組である「にっぽん診断・NISSANなるほどステーション」や「日産歌めぐり日本列島」といった企画ネットコーナーも放送されていました。

1987年4月以降は、放送時間がやや早まり、15時40分頃からスタートする構成となりました。15時台後半には「あっという間のたきこみごはん」や、TBS制作の「生島ヒロシのおしゃれ英会話」といったコーナーが設けられました。16時台は引き続き「ニュース」「株式市況」「交通情報」といった情報中心の構成でしたが、16時台後半には「ミニホカレポート お元気ですか」や、日産自動車提供の全国ネット枠（「山口良一の日産 言葉のおもしろ事典」「タケローのNISSANハートフルにっぽん」などタイトルは変遷）、また福武書店提供の「小学生チャレンジ放送局」などが放送されました。さらに、プロ野球シーズン中は「がんばれドラゴンズ」、オフシーズン中は夕食の準備を意識した「晩ごはんまでもうちょっと」といった、時期によって異なるコーナーも編成されました。

地域に根差した情報として、「さわやか信州」や、長島温泉からの情報を提供する「唄う長島温泉」といったコーナーも長きにわたり放送されていました。これらのコーナーを通じて、リスナーは東海地方だけでなく、関連する周辺地域の情報にも触れることができました。

『多田しげおのそれ行け!にっこりワイド』は1992年4月3日をもって、11年6か月の歴史に幕を閉じました。しかし、メインパーソナリティの多田しげおは、この改編でスタートした後番組『もぎたてのカボチャたち』にも、木曜日のパーソナリティとして引き続き出演しています。長きにわたり平日夕方の顔として、多くのリスナーに親しまれた番組でした。

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