多聞寺 (神戸市垂水区)

多聞寺の魅力とその歴史

多聞寺（たもんじ）は、兵庫県神戸市垂水区多聞台に位置する、天台宗に属する寺院です。この寺院は吉祥山を山号として持ち、本尊は毘沙門天です。境内には弁天池があり、そこに架かる曲橋やカキツバタの花は「こうべ花の名所」に選ばれています。

歴史的背景

多聞寺の開山は貞観2年（860年）ごろに遡ります。その際、清和天皇の命によって平安時代の僧侶、慈覚大師円仁によって創建されたと伝えられています。しかし、開創から120年後には天災によって焼失してしまいます。その後、花山天皇の命を受けた明観上人によって再度再興されました。現在の本堂は、正徳2年（1712年）に再建されたもので、長い年月を経た今でもその姿を留めています。

多聞寺は、時代によって盛衰を繰り返してきましたが、江戸時代には多くの寺領を有し、江戸幕府からの朱印状も与えられていたことが歴史的な証拠となっています。

文化財の魅力

多聞寺の中には、いくつかの重要文化財があります。最初は1901年に国の指定を受けた木造の阿弥陀如来坐像や、日光菩薩・月光菩薩の立像がそれにあたります。これらの文化財は、その美しさと精緻な彫刻で、多くの訪問者を魅了しています。

寺院はまた、いくつかの霊場にも指定されており、明石西国三十三ヶ所観音霊場の一部として第23番の池上山福林寺や、第29番の吉祥山寺毘沙門堂多聞寺観音堂などがあります。これらの札所本尊には聖観世音菩薩が祀られており、信仰の対象とされています。さらに、神戸十三仏霊場の第10番としても知られ、本尊に阿弥陀如来を祀っています。

年中行事

多聞寺では様々な年中行事が行われています。特に、初詣は毎年1月1日から3日まで非常に多くの参拝者で賑わいます。また、1月5日には修正会結願（鬼追い会式）が行われ、伝統的な行事が地域の人々に親しまれています。2月には節分会が開催され、春を迎える準備が整えられます。5月の第2日曜日に行われる観華会・天台声明法要も特に注目されています。そして、12月の大晦日には除夜の鐘が鳴らされ、新しい年の訪れを祝います。

アクセス情報

多聞寺へのアクセスは非常に便利です。公共交通機関を利用する場合、JR西日本の山陽本線舞子駅から神戸市バスの54系統（学園都市駅行き）に乗り、「多聞寺前」で下車することができます。また、神戸市営地下鉄西神・山手線の学園都市駅からも同様にバスが運行されており、「多聞寺前」で降車することができます。

自家用車の場合、第二神明道路の高丸ICまたは大蔵谷ICからは約10分、神戸淡路鳴門自動車道の布施畑ICからは約15分の距離にあります。また、国道2号の舞子駅前交差点からも北へ約10分のアクセスで到着できます。

まとめ

多聞寺はその美しい自然環境と豊かな歴史から、多くの人々に愛される寺院です。年間を通じて多くの行事が行われ、訪れる人々に新たな体験や深い精神性を提供しています。特に、文化財としての価値も高く、観光名所としてだけでなく、信仰の場としても大切にされています。ぜひ、多聞寺を訪れてその魅力を体感してみてください。

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