夜明けのタンゴ

夜明けのタンゴ：バレエとタンゴが織りなすドラマ

五木寛之による小説『夜明けのタンゴ』は、1980年に『小説新潮』で連載され、同年にテレビドラマ化された作品です。小説とドラマ、両方の魅力を紐解いていきましょう。

物語のあらすじ：バレリーナとタンゴの競演

主人公の水原真希は、秋川バレエ団のバレリーナとして活躍する一方、父・竜介が経営するタンゴバー「タンゲーロ」の危機に直面します。竜介はタンゴ復興を目指し、アルゼンチンから一流バンドを招聘するも失敗、多額の借金を背負い込んでしまいます。

窮地に陥った真希に、興信所調査員で元ダンス教師の高木章が手を差し伸べます。「タンゴ・コンクールで優勝すれば賞金500万円」という提案です。バレエとタンゴ、二つのダンスに明け暮れる日々が始まり、真希の葛藤と成長が描かれる物語となっています。彼女は昼はバレエの練習に励み、夜はタンゴの練習に励む毎日を送ることになります。借金返済のため、そして自身の夢を叶えるため、彼女は必死に努力します。周囲の人々の支えや、様々な困難を乗り越えていく真希の姿は、多くの読者や視聴者の共感を呼びました。

テレビドラマ：松坂慶子の挑戦と主題歌の大ヒット

1980年6月3日から8月26日にかけて、TBS系列で全13話放送されたテレビドラマ『夜明けのタンゴ』。主演は松坂慶子です。彼女は放送開始2ヶ月前からタンゴの特訓を受け、ドラマに臨みました。

前年放送の『水中花』で主題歌「愛の水中花」が大ヒットしたことから、本作でも松坂が主演と主題歌を担当することになりました。主題歌「夜明けのタンゴ」は、松坂慶子と奥田宗宏とブルースカイ・ダンス・オーケストラが歌い上げました。作詞は五木寛之、作曲は小松原まさしが担当しました。

ドラマのキャッチフレーズは「ネオ・シティ・ロマン」。オープニングの松坂慶子の大胆な衣装は、彼女のアイディアによるものです。 このドラマは、松坂慶子の演技力と主題歌のヒットにより、大きな話題を集め、高い視聴率を獲得しました。

キャストとスタッフ：豪華な顔ぶれ

ドラマには、松坂慶子以外にも、芦田伸介、細川俊之、中丸忠雄、鹿賀丈史、高岡健二、熊谷真実、宮下順子、藤岡琢也、沢たまき、浅野真弓、江波杏子など、個性豊かな俳優陣が出演しました。

スタッフには、原作の五木寛之、プロデューサーの山本和夫、脚本家の高橋玄洋と横光晃、音楽の小松原まさしらが名を連ねています。演出は山本和夫が全話担当しました。製作はテレパックとTBSです。

まとめ：時代を超えて愛される物語

『夜明けのタンゴ』は、バレエとタンゴという異なるダンスを通して、人間の強さと成長を描いた作品です。小説とドラマ、どちらからも、時代を超えて多くの人々の心を捉える魅力が感じられます。松坂慶子演じる真希の生き様は、多くの視聴者に感動を与え、主題歌も大ヒットしました。現代においても、その物語は、多くの人の心に響き続けるでしょう。特に、困難に立ち向かう主人公の姿は、現代社会においても共感を得やすいテーマと言えるでしょう。 ドラマの成功は、原作小説の力、松坂慶子の演技力、そしてスタッフの熱意の融合によるものと言えるでしょう。

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