夜明けの二人

シングル「夜明けの二人」

「夜明けの二人」（よあけのふたり）は、1968年4月5日にビクターレコードからリリースされた橋幸夫の96枚目のシングルです。この曲は、同名の松竹映画の主題歌として制作されました。ハワイへの日本人移民100年を記念する映画のために作られたこの楽曲は、多くの人々の心に響くものとなりました。

作品の背景

本作は「二人」シリーズではなく、橋幸夫の恩師である佐伯孝夫の作詞、吉田正の作曲による作品です。制作の発端は、橋がハワイ移民をテーマにした映画に出演することになったことから始まります。彼はハワイとは深いつながりがあり、1962年と1964年にはハワイでの公演を成功させており、今や日本人歌手としてのファンクラブも存在するほどでした。また、橋はハワイでの公演をその後も五回行っています。この特別な場所との絆は、楽曲にも色濃く反映されています。

特に歌詞に登場する「ブーゲンベリヤ」という言葉には注目が集まります。それは当時日本ではあまり知られていなかった「ブーゲンビリア」を指しており、橋はこれを「佐伯美学」と称賛しています。また、ジャケット写真にはハワイの風景が使われており、全体として、このシングルは公平な視点でハワイを描いています。

収録曲

• - 夜明けの二人

作詞：佐伯孝夫、作・編曲：吉田正

• - 夢見るジェーン

作詞：佐伯孝夫、作・編曲：吉田正

このシングルは、後に2005年にリリースされた橋幸夫の芸能生活45周年記念アルバム『歌の架け橋』にも収録されています。特にc/wの「夢見るジェーン」も佐伯と吉田のコンビによる作品で、二曲とも高い評価を受けています。

映画「夜明けの二人」

この映画は1968年4月28日に公開され、ハワイ移民百年祭の記念映画です。脚本は桜井義久と野村芳太郎が手がけ、監督も野村芳太郎が担当しました。映画はカラー・シネマスコープ形式で101分間の尺があり、橋幸夫はこの作品で新たな共演者として黛ジュンと出会います。

映画では、中野秀夫（橋幸夫）がハワイで日系三世の三崎令子（黛ジュン）と再会するストーリーが描かれています。秀夫は知人の紹介で令子と知り合い、やがてハワイで再び彼女と出会いますが、令子には婚約者がいるという複雑な関係が展開されます。この映画を通じて、ハワイの美しい風景が数多く登場し、その魅力が観客に伝わります。

映画の音楽とパフォーマンス

橋は主題歌「夜明けの二人」に加え、「夢見るジェーン」や「恋をするなら」といった楽曲を披露しています。また、黛ジュンとのデュエット「乙女の祈り」も特別な演出として観客を楽しませました。さらに、寺内タケシとバニーズによる「レッツ・ゴー・ブガルー」もスペシャルなパフォーマンスとして映画の中で見ることができます。

この映画は、主題歌の場面を重みづけし、日系人文化の豊かさを描き出す作品となっています。映画のクレジットには、製作や脚本に関わった多くの人々や助演者の名前が記されています。この映画を通じて、橋幸夫と黛ジュンはその後の作品でも再び共演することになります。

映像ソフトのリリース

この映画は2006年1月28日に松竹からDVDとしてリリースされており、当時の感動を自宅で楽しむことができるようになっています。

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