夜霧の伊勢佐木町〜愛の真世界編〜

夜霧の伊勢佐木町〜愛の真世界編〜：ゆずの昭和歌謡へのオマージュ

2014年7月18日、配信限定シングルとしてリリースされた「夜霧の伊勢佐木町〜愛の真世界編〜」。日本のフォークデュオ、ゆずが「ゆず（北見川潤子＆ムーチョ小岩沢）」名義で発表した、この楽曲は、同年のアルバム『新世界』の初回生産限定盤に収録されていた「夜霧の伊勢佐木町」をリアレンジしたバージョンです。編曲を手掛けたのは、前山田健一氏。

この楽曲の背景には、ゆずが2014年に行ったアリーナツアー「YUZU ARENA TOUR 2014 新世界」があります。ツアーでは、「昭和歌謡コーナー」が設けられ、2002年のシングル「恋の歌謡日」以来12年ぶりに、ゆずの別名義である「北見川潤子＆ムーチョ小岩沢」が復活。「夜霧の伊勢佐木町」が披露されました。このライブパフォーマンスをきっかけに、この楽曲の配信が決定したと言えるでしょう。

配信元はセーニャ・アンド・カンパニー。楽曲リリースを盛り上げるため、様々なプロモーション活動が行われました。カラオケJOYSOUNDでは「ゆず（北見川潤子＆ムーチョ小岩沢）になりきってみよう企画」というキャンペーンを実施。楽曲の舞台にもなった横浜市のイセザキモール・パーキング前には、シングルジャケットを模した看板を設置。さらに、横浜アリーナでのライブ会場には、北見川潤子とムーチョ小岩沢の等身大パネルが展示され、ファンを熱狂させました。また、「夜霧の伊勢佐木町クリアファイルセット」や「潤子の魅惑のルージュペン」といった、発売記念グッズも販売されました。

楽曲自体も、オリジナルバージョンからの変更点が見られます。コーラスワークやラストサビ、セリフなどがアレンジされ、よりドラマチックな仕上がりとなっています。作詞・作曲は北川悠仁氏。

そして、2014年8月13日に放送されたフジテレビ系音楽番組『2014 FNSうたの夏まつり』では、鈴木雅之、森山直太朗、ナオト・インティライミといった豪華アーティストをコーラスに迎え、「夜霧の伊勢佐木町〜愛の真世界編〜」を披露。番組内で49番目にパフォーマンスされたこのステージは、多くの視聴者の記憶に刻まれたことでしょう。

「夜霧の伊勢佐木町〜愛の真世界編〜」は、単なる楽曲の再アレンジにとどまらず、ライブパフォーマンス、プロモーション、そして豪華コラボレーションを通して、ゆずの音楽に対する情熱とエンターテイメント性を余すことなく表現した作品と言えます。昭和歌謡へのオマージュでありながら、現代的なアレンジと演出によって新たな魅力を生み出した、ゆずの代表的な楽曲の一つと言えるでしょう。配信限定という形態も、この楽曲の特別な位置付けを示しています。

この楽曲は、単なる音楽作品としてだけでなく、2014年のゆずの活動の集大成であり、その時代の空気感を色濃く反映していると言えるでしょう。時代を超えて愛される、ゆずの代表曲の一つとして、これからも聴き継がれていくことでしょう。

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