夜鳴き弁天

夜鳴き弁天について

『夜鳴き弁天』は、1992年10月6日から1993年3月16日までの間、フジテレビで放送された独特なお笑い番組です。放送は毎週火曜日の1:10から1:40まで、言わば「月曜深夜」の時間帯に行われました。この番組は、主にお笑い界の新鋭や個性派たちが揃い囲み、視聴者に楽しさと驚きを提供していました。

概要

この番組の司会を務めたのは、高田文夫。彼は『北野ファンクラブ』などで知られるクリエイターで、特徴的な進行スタイルを持っていました。前番組『たまにはキンゴロー』に出演していたメンバーが再び集結し、それぞれのコーナーを持つ形で番組が進行しました。

主な出演者には、当時「関東高田組」と呼ばれていた芸人たちが揃い、浅草キッド、立川ボーイズ（立川談春・立川志らく）、春風亭昇太、大川興業の江頭2:50などが名を連ねました。また、アナウンサーの福井謙二も引き続き出演していました。

初回の収録はフジテレビのスタジオで行われ、第1回と第2回はライブ形式で放送されましたが、以降は白を基調としたセットのないシンプルなスタジオでの収録に変更されました。時には新宿のバッティングセンターで収録したり、高田と松村が山形県の寿司店で偶然に収録を行ったことも記憶に残るエピソードです。

番組の特長

番組中の「夜鳴き弁天」という言葉は、謎めいた存在として視聴者を引きつけました。さまざまな場面で「謎が謎を呼ぶ夜鳴き弁天とは…」というテロップが表示され、毎回特有の「夜鳴き語録」が紹介されました。この中には高田の独特な発言が収録され、時には意味不明な言葉も散見されました。

オープニングの楽曲には、一世風靡セピアの曲が使用され、エンディングテーマも同じくKAZZによる「始発」が流れるなど、音楽面でも印象的でした。特に、エンディング映像では立方体の部屋に全ての面に同じ映像が流れ、立体的な印象を与える手法が使われていました。番組の後期には、別のエンディングテーマとして藤原久美の「純愛」がオープニングで流れるようにもなりました。

コーナー紹介

本番組は、いくつかの個性豊かなコーナーが展開され、多彩な演出が楽しめました。例えば、浅草キッドの「芸能界 夜のそうなん(相談)室」では、タブー的なテーマが「言わんのばかクイズ」形式で軽妙に語られました。春風亭昇太によるミニドラマ「愛は止まらない」では、昇太が一人で数役を演じ、多様な演技力を披露しました。さらに、新宿キッドの松村によるベスト10発表コーナーや、立川ボーイズによるミニコントも大変人気でした。

また、江頭2:50の一人企画では、彼のユニークなキャラクターが際立ち、さまざまな芸能人を巻き込んだ企画が行われました。「人間書初め」という正月特別企画では、松村と江頭が体を使って巨大な書初めを行い、意外な展開にスタジオが沸きました。

制作と影響

この番組の制作には、高田文夫を中心とした多くのスタッフが関わり、自由な発想とユーモアが詰まった内容を実現しました。制作終了後は、ほぼ同じスタッフと新しい企画が組まれ、次番組『ピロピロ』がスタートしました。

『夜鳴き弁天』は、個性豊かなコーナーや進行、独特の雰囲気で、深夜のテレビ番組の一つとして記憶されています。そのユーモアと想像力あふれるアイデアは、多くの視聴者の心に残り、今なお語り継がれています。

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