夢、夢のあと

アルバム『夢、夢のあと』の概要

『夢、夢のあと』（Dream, After Dream）は、アメリカのロックバンド、ジャーニーが演奏したサウンドトラックアルバムです。本作はファッションデザイナー高田賢三が手掛けた日本のファンタジー映画『夢・夢のあと』に寄せられた作品で、1980年にコロムビア・レコードからリリースされました。このアルバムは、ジャーニーの7枚目のスタジオアルバムに相当し、先行する3枚の商業的な成功とは異なり、ハードロックからプログレッシブ・ロックへの移行を示唆しています。

アルバムには全9曲が収録されており、中でも「デスティニー」「砂の城」「リトル・ガール」の3曲はフルボーカルがフィーチャーされています。特に「リトル・ガール」は、日本市場向けにB面に「月のテーマ」と共にリリースされ、国際的にはシングル「オープン・アームズ」のB面としても知られています。また、この曲はジャーニーのベストアルバム『タイム3〜永遠の旅立ち』にも収録されました。さらに「デスティニー」は、バンドがリリースした楽曲の中でも最長のレコーディングとなっています。

アルバムの特徴

『夢、夢のあと』は、サウンドトラックとして映画の雰囲気をよく表現している一方で、映画自体はあまり注目を集めることができなかったことが残念です。音楽は、複雑なミュージシャンシップとインストゥルメンタルに依存しており、ファンにとっては彼らの初期のプログレッシブ・ロックのスタイルを思い起こさせる貴重な作品となっています。オールミュージックの批評では、このアルバムはジャーニーのカタログの中で見過ごされがちな作品として評価されており、「過小評価されたミュージシャンシップの良い例」として誉められています。

ジャーニーのファンにとって、このアルバムは新たな魅力を発見する機会を提供し、多くの愛好者から支持されています。また、通常は批評的な立場を取るデイヴ・マーシュ氏も本作を称賛し、1980年代におけるジャーニーの最高のレコーディングとして評価しました。

収録曲一覧

1. デスティニー - "Destiny" (ニール・ショーン、スティーヴ・ペリー) - 8:06
2. 雪のテーマ - "Snow Theme" (ロス・ヴァロリー) - 4:12
3. 砂の城 - "Sandcastles" (グレッグ・ローリー、ペリー) - 4:44
4. 呪われたコイン - "A Few Coins" (ローリー、ショーン、ヴァロリー、スティーヴ・スミス) - 0:40
5. 月のテーマ - "Moon Theme" (ショーン、ペリー) - 4:35
6. 哀愁のロマンス - "When the Love Has Gone" (ショーン) - 4:02
7. フェスティバル・ダンス - "Festival Dance" (ローリー、ショーン、スミス、ペリー、ヴァロリー) - 0:57
8. レイプ - "The Rape" (ヴァロリー) - 2:11
9. リトル・ガール - "Little Girl" (ショーン、ペリー、ローリー) - 5:48

主なメンバー

このアルバムは、創設メンバーであるグレッグ・ローリーをフィーチャーした最後のスタジオアルバムとなりました。主要なメンバーは以下の通りです:

• - スティーヴ・ペリー - ボーカル
• - ニール・ショーン - ギター、ボーカル
• - グレッグ・ローリー - キーボード、ピアノ、ハーモニカ、ボーカル
• - ロス・ヴァロリー - ベース、ボーカル
• - スティーヴ・スミス - ドラムス、パーカッション

『夢、夢のあと』は、ジャーニーの音楽スタイルの多様性を示す重要な作品であり、少数派のファンによって高く評価され続けています。

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