夢ごこち

夢ごこち：日本の新たなイネの品種

夢ごこち（ゆめごこち）は、日本国内で開発されたイネの品種であり、その名前は「食べると夢のような美味しさを体験できる」という意味が込められています。この品種は、特に低アミロース米として知られ、粘り気があり、柔らかな食感を持っています。この特性は、食卓での人気を高め、冷めても美味しさを保つ良食味の特徴があります。

生い立ち

夢ごこちの育成は1986年に始まりました。植物工学研究所において、アミロース含量が低い変異個体の発見からスタートし、そこから選抜・育成されました。1995年には品種登録が行われ、その後もさまざまな改良が重ねられました。

最初の品種名は「あみろ17」として登録が試みられ、1995年9月14日に正式に品種登録が完了しました。これにより、夢ごこちは日本の米市場において新たな選択肢となりました。さらに、2003年には植物工学研究所から中島美雄商店へ育種事業が譲渡されましたが、2010年には同社が倒産。その後、2020年には神明ホールディングスに事業が引き継がれ、2024年には株式会社神明育種研究所へと社名変更が行われています。

新生夢ごこち

夢ごこちからさらに進化した品種として「新生夢ごこち」が存在します。これは、夢ごこちと「葵の風」を交配して選抜されたものです。新生夢ごこちは、成熟期が中生であり、栽培特性についても元の夢ごこちと似ています。特に注目すべきは、アミロース含有率が若干低いため、さらなる粘りと柔らかさを実現している点です。

お米としての特性

夢ごこちは、普通のご飯としてだけでなく、寿司やおにぎり、リゾットなど多様な料理に適しています。その食感と風味は、家庭での食事だけでなく、食のプロフェッショナルにとっても魅力的な要素を提供します。このため、食卓で重宝され、広く愛されています。

また、農家にとっても育てやすい品種であり、耐倒伏性においては「コシヒカリ」と同等の特性を持つことから、信頼性の高い一品とされています。

育種の継続

夢ごこちの開発は、ただ一つの品種に留まらず、未来に向けた育種研究も継続されています。美味しいお米を求めるニーズに応じて、さらなる改良が行われており、消費者に喜ばれる新たな品種が生まれることが期待されています。日本の米作りの未来を担う、夢ごこちから目が離せません。

参考文献

• - 日本食糧新聞社 編『全国お米のこだわり銘柄事典』日本食糧新聞社、2018年4月18日。ISBN 9784889272666。

外部リンク

• - 品種登録データベース 夢ごこち【ﾕﾒｺﾞｺﾁ】（食用作物）
• - 株式会社神明育種研究所 夢ごこち

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