夢の女 (1993年の映画)

『夢の女』は、1993年に公開された日本のドラマ映画で、五代目坂東玉三郎が監督を務めました。この作品は、永井荷風の原作を基にし、久保田万太郎の戯曲を参考に、吉村元希、桜井妙子、斎藤雅文が脚本を手掛けました。映画は、第43回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門にも出品され、国際的な注目を集めました。

物語は、花魁の世界を舞台に、女性たちの愛憎や運命を描いています。吉永小百合が主人公のお浪（花魁楓）を演じ、その美しさと哀愁を見事に表現しました。片岡京子が二代目楓を演じ、樹木希林がお松役で脇を固め、その演技力が評価されました。永島敏行が小田部役、長門裕之が桟橋の客役として出演するなど、豪華なキャストが作品に深みを与えています。

撮影は長沼六男が担当し、その美しい映像が観客を魅了しました。美術は木村威夫が手掛け、映画の舞台となる遊郭の世界を忠実に再現しています。音楽は藤舎名生と杵屋榮津五郎が担当し、作品の雰囲気を盛り上げました。編集は鈴木晄と奥原好幸が担当し、物語のリズムを作り上げました。照明は熊谷秀夫が担当し、映像の美しさを引き立てています。

映画は、その高い芸術性とキャストの演技力が高く評価され、1994年の第17回日本アカデミー賞では、吉永小百合が優秀主演女優賞を、樹木希林が優秀助演女優賞を受賞しました。また、長沼六男が優秀撮影賞、熊谷秀夫が優秀照明賞、木村威夫が優秀美術賞を受賞するなど、数多くの部門でその功績が認められました。

『夢の女』は、日本の映画史に残る傑作として、今もなお多くの映画ファンに愛されています。その映像美、音楽、そして俳優たちの熱演は、観る者の心を深く揺さぶります。この映画は、単なる時代劇ではなく、人間の普遍的な感情を描いた作品として、時代を超えて語り継がれることでしょう。

主なキャスト

吉永小百合 - お浪（花魁楓）
片岡京子 - 二代目楓
樹木希林 - お松
永島敏行 - 小田部
長門裕之 - 桟橋の客
佐々木すみ江 - おさわ
垂水藤太
戸浦六宏 - 番頭
綿引勝彦 - 楼主
安井昌二 - 上郷
田中弘太郎

スタッフ

監督 - 五代目 坂東玉三郎
製作総指揮 - 奥山和由、堤康二、一力英夫、小田久栄門
プロデューサー - 中川滋弘、中沢敏明
原作 - 永井荷風
戯曲 - 久保田万太郎
脚本 - 吉村元希、桜井妙子、斎藤雅文
撮影 - 長沼六男
美術 - 木村威夫
編集 - 鈴木晄、奥原好幸
音楽 - 藤舎名生、杵屋榮津五郎
録音 - 辻井一郎
照明 - 熊谷秀夫
助監督 - 大串利一

受賞歴

1994年 第17回日本アカデミー賞
優秀主演女優賞 吉永小百合
優秀助演女優賞 樹木希林
優秀撮影賞 長沼六男
優秀照明賞 熊谷秀夫
優秀美術賞 木村威夫

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