夢幻の果てに

アルバム『夢幻の果てに』の概要

『夢幻の果てに』（むげんのはてに）は、1995年1月20日にリリースされたTHE ALFEE|THE_ALFEEの16枚目のオリジナルアルバムです。このアルバムはグループのデビュー20周年の際に発表され、彼らのプライベートレーベル「Zeit」からの第1弾となります。全体を通してプログレッシブ・ロックの色合いが強く、多くの楽曲が変拍子を取り入れている点が大きな特徴です。また、収録されているシングルはすべて1994年に発表されたもので、唯一「エルドラド」だけはそのリストに含まれていません。さらに、高橋研が作詞に参加するのは「霧のソフィア」以来9年ぶりとなります。

収録曲

アルバムには以下の楽曲が収められています。全ての楽曲は高見沢俊彦が作詞・作曲を担当し、アレンジはTHE ALFEE|THE_ALFEEによるものです。

1. 孤独の影
- この曲はプロモーションビデオも制作され、1984年リリースの『THE RENAISSANCE』のオープニング曲「孤独の美学」と韻を踏んでいるとのことです。また、同年夏の野外イベントでは、この曲とともに演奏されました。

2. 幻夜祭（作詞：高見沢俊彦・高橋研）
- プログレッシブなスタイルのナンバーで、全編を通じて3声コーラスで歌われます。変拍子が用いられている点も話題となり、その年の夏のイベントのタイトル曲にも選ばれました。

3. LIBERTY BELL
- 大阪国際女子マラソンのイメージソングとして使用されましたが、阪神淡路大震災の影響で同年の大会は中止となり、1997年に再び採用されています。

4. 罪人たちの舟（作詞：高見沢俊彦・高橋研）
5. 哀愁は黄昏の果てに
6. 殉愛
7. 悲劇受胎
- この楽曲は特に演奏難易度が高いとされ、「ライブで演奏することは不可能」とまで言われていましたが、同年の幻夜祭で初披露されることとなりました。
8. COMPLEX BLUE -愛だけ哀しすぎて-
9. FUNKY PUNKY
10. まだ見ぬ君への愛の詩（New Take）
- この楽曲は当初のレコーディングには組み込まれていませんでしたが、スタッフの強い希望により収録されました。
11. WILD BAHN！
- MEN'S TENORASのCMソングやレーシングドライバー野田英樹の応援歌としても知られています。英語版も存在しますが、CD化はされていません。
12. 冒険者たち
- イントロ部分には追加の伴奏が加えられています。
13. 哀しみの泉

注記として、いくつかの楽曲（特に2曲目と7曲目）は、ライブ演奏の際にキング・クリムゾンの「21世紀のスキッツォイド・マン」のイントロの間奏部分が演奏されることがあります。

エピソード

本アルバムの発売日には、メンバーの桜井賢の誕生日でもあり、テレビのインタビューでは「誕生日プレゼントよりも、CDを購入していただくほうが嬉しい」と語っています。また、ファンクラブ会報には「夢幻鍋」という名称で高見沢が楽曲から名付けた鍋料理のレシピが紹介されました。さらに、次作のオリジナルアルバム『LOVE』には、タイトル曲の歌詞に「夢幻の果てに」というフレーズが登場します。

関連作品

このアルバムに収録された楽曲はいくつかの関連作品に再録されています。『THE ALFEE|THE_ALFEE CLASSICS II THE ALFEE|THE_ALFEE with Royal Philharmonic Orchestra』には「幻夜祭」、「LIBERTY BELL」、「まだ見ぬ君への愛の詩」のクラシック・バージョンが収められています。また、かつてのプロモーションビデオを収録した『THE ALFEE|THE_ALFEE HISTORY III 1992-1997』も存在し、さらに「悲劇受胎2009」や2023年リリースのベストアルバム「SINGLE CONNECTION & AGR -Metal & Acoustic-」でも再録されています。

『夢幻の果てに』は、THE ALFEE|THE_ALFEEにとって特別な意義を持つアルバムであり、彼らの音楽的な進化を感じさせる作品となっています。

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