夢現Re:Master

夢現Re:Master

『夢現Re:Master』は、工画堂スタジオのしまりすさんちーむが開発した百合系アドベンチャーゲームです。2019年6月13日に発売され、2020年4月23日にはファンディスク『夢現Re:After』がリリースされました。

概要

本作は、ゲーム制作会社「ユリイカソフト」を舞台に、ゲームクリエイターや声優たちの日常を描いた作品です。制作現場の苦労や人間関係の葛藤、そして夢に向かって努力する姿が、魅力的な女性キャラクターたちを通して描かれています。

『白衣性恋愛症候群』や『白衣性愛情依存症』とは異なり、本作には男性キャラクターが登場しません。登場人物はモブキャラクターに至るまで全て女性で統一されており、女性同士の関係性を深く掘り下げています。

開発の背景

原案・ディレクターを務めたみやざーは、アニメ制作会社を題材とした『SHIROBAKO』に感銘を受け、自身も同様の作品を作りたいと考えたことが企画のきっかけだと語っています。

シナリオは、向坂氷緒、志水はつみ、竹内なおゆき、西川真音の4名が担当。共通ルートと柳谷こころルートは向坂氷緒、太刀花ななルートは志水はつみ、無限堂さきルートは竹内なおゆき、マリー・マーラーのルートと劇中ゲーム「ニエと魔女と世界の焉わり」のシナリオは西川真音がそれぞれ執筆しました。

ライターの中には、実際にゲーム会社での勤務経験を持つ者もおり、実体験に基づいたエピソードが盛り込まれています。また、SFやアニメ、海外ドラマなどの小ネタも散りばめられています。

みやざーは、シナリオライターに向坂氷緒のようなゲーム業界未経験者を起用したことで、業界の常識にとらわれない視点を取り入れることができたと語っています。また、ゲーム会社によって用語の意味が異なるため、本作では専門用語集は作られませんでした。

太刀花ななルートを担当した志水は、自身の経験からどの要素を取り入れるべきか悩んだと語っています。井澤詩織は、ななルートのシナリオについて「まるで声優のことをよく知っている人が書いたかのようだ」と評しています。

竹内は、さきのキャラクターを自身と重ね合わせつつも、現実的な要素を3割程度に抑え、「ライターとしての理想像」として描いたと述べています。

主人公・大鳥あい役を務めた吉岡麻耶は、収録回数が10回を超えるほどの膨大なシナリオ量だったことを明かしています。

あらすじ

帝都東京の片隅、下町情緒が残る虹園寺。そこにひっそりと佇むゲーム開発会社「ユリイカソフト」。

田舎育ちの純朴な女の子、大鳥あいは、親の都合で離れて暮らす妹、柳谷こころに会うため上京し、ユリイカソフトの門を叩きます。

登場人物

大鳥 あい（おおとり あい）
声 - 吉岡麻耶
アシスタントディレクター。主人公。妹のこころを追って上京し、ユリイカソフトに就職します。ネガティブな性格ですが、どこか天然で周囲からは面白い人と思われています。
柳谷 こころ（やなぎや こころ）
声 - 沼倉愛美
ゲームディレクター。あいの妹。仕事に追われ常に不機嫌な態度をとっています。姉のあいにはなぜかキツイ態度を取ります。
無限堂 さき（むげんどう さき）
声 - 徳井青空
シナリオライター。マイペースな性格で、人の話をあまり聞きません。ジャージ姿にヘッドホンがトレードマーク。
太刀花 なな（たちばな なな）
声 - 井澤詩織
事務員。明るく誰にでもフレンドリーなムードメーカー。本業は声優ですが、アルバイトとしてユリイカソフトで働いています。
マリー・マーラー
声 - 池澤春菜
イラストレーター。ギシリア出身。日本文化を愛し、軍服を正装としています。
醍醐 ほのか（だいご ほのか）
声 - 伊藤静
代表取締役社長。ユリイカソフトの設立者。「ニエと魔女と世界の焉わり」のリメイク開発を指揮しています。
ばな子（ばなこ）
声 - 大坪由佳
* ユリイカソフトのマスコットキャラクター犬。セントバーナード。首の樽にはさき専用のエナジードリンクが入っています。


『夢現Re:Master』は、ゲーム制作の裏側を描きつつ、個性的な女性キャラクターたちの織りなす人間ドラマが楽しめる作品です。

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