夢食案内人

夢食案内人

『夢食案内人』は、立川恵による少女漫画作品。講談社の少女雑誌『るんるん』で連載されていました。作者の初期を代表する作品の一つであり、ファンタジー色の強い作風が特徴です。

作品概要

本作は、『るんるん』の看板連載の一つとして人気を博しました。元々は『なかよし』の増刊号として発行されていた『るんるん冬休み号』に読切として掲載されたのが始まりです。その後、『るんるん』本誌にて連載化され、1994年1月号から同年9月号まで連載されました。

連載中断後、『るんるん』1995年1月号と5月号にそれぞれ読切として掲載されましたが、これらの2話は単行本には収録されていません。

KCるんるんから単行本が1巻のみ発行されていますが、現在は絶版となっています。立川恵の他の作品を収録した単行本には「以下続刊」と記載されているものの、2巻以降は発刊されていません。また、連載誌であった『るんるん』も休刊となっています。

作品は1話完結のファンタジー形式で、各話のタイトルは「Dream.X」（Xは話数）と表記されます。毎回、主人公が不思議なアイテムを使って悩みを解決していくというストーリーです。各話ごとに主人公が異なり、様々な悩みを抱えた少女たちが登場します。

登場人物

各話で主人公が異なるため、物語の案内人として以下のキャラクターがレギュラーで登場します。

まりん

『夢の管理局』で『ドリームバク』の飼育を担当する少女。『ドリームバク』の餌となる『悪夢』を探し、『いい夢』に変えて、夢の主から報酬として『悪夢から変えたいい夢』の一部をもらい、『ドリームバク』の餌にする仕事をしています。名前の由来は飯島真理の楽曲「まりン」から。
バクオ

まりんが担当する『ドリームバク』。お腹が空いているときに、自らに残っている夢のエネルギーを使って魔法のアイテムを出します。各話の主人公は、このアイテムを使って悩みを解決し、『悪夢』を『いい夢』に変えます。伝説とは異なり、『ドリームバク』は悪夢をそのまま食べることができないため、このような手順が必要となります。

各話の主人公

各話に登場する主な主人公と、彼らが抱える悩み、そしてまりんとバクオから与えられるアイテムは以下の通りです。

Dream.1：須賀唯子

自分の髪質にコンプレックスを持つ少女。「ラプンツェルのシャンプー」で悩みを解決します。
Dream.2：中島澄音

音楽のテストに苦手な男子と組まされることになった少女。「ハーメルンのたて笛」でテストの悪夢を克服します。
Dream.3：香坂千波

背が高いことが悩みの少女。「ピンクのコンペイトウ」で身長に関する願いを叶えようとします。
Dream.4：戸田伊吹

男子に負けたくないおてんばな少女。「雪の女王ブランドのコンタクトレンズ」で強くなろうとします。
Dream.5：一ノ瀬都

家事が苦手な少女。「ガラスの靴のリボン」で女性らしさに憧れるようになります。
Dream.6：関川かんな

友達だと思っていた男子からの告白に戸惑う少女。「マーメイド・ドロップ」で恋愛感情を自覚しようとします。
Dream.7：越智舞子

風紀委員として恋愛感情を抑圧してしまう少女。「白雪姫の手鏡」で自分の気持ちと向き合います。
Dream.8：白金笑里

過去の喧嘩別れを気に病む少女。「ウラシマソウ」で幼馴染との関係を修復しようとします。
Dream.9：森村乃梨子

想い人が宇宙人ではないかと心配する少女。「隕石で眠っていたパワーストーン（ペリドット）」で真実を探します。

書誌情報

KCるんるんより単行本1巻が刊行。
第1巻：1994年12月発行 ISBN 9784063228120

外部リンク

Satellite-M - 作者（立川恵）公式サイト
* 夢食案内人 - 立川恵 / Ｄｒｅａｍ １　ラプンツェル・シャンプー - コミックDAYS配信の無料第1話

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