ペリドット

ペリドットの魅力

ペリドット（英: peridot）は、カンラン石の一種で、宝石としての価値を持つ特別な鉱物です。この石は、特に美しい緑色をしており、その色は含まれる鉄分によるものです。ペリドットという名称は、アラビア語の「宝石」を意味する「فَرِيدَة（farīda(h)）」に由来し、さらにそこから「faridat」が転じたと言われています。

古代ローマ人は、この石の美しさから「夜会のエメラルド」と称賛しました。これは、ペリドットが夜間の照明の下でも、その鮮やかな緑色を失わないためです。実際、この宝石は十字軍によって持ち帰られ、特に中世には教会の装飾に使用されました。特に注目すべきは、ケルン大聖堂には200カラットを超える大きなペリドットがあり、東方の三博士をテーマにした聖堂を飾っています。

性質と特徴

ペリドットのモース硬度は6.5から7.0とされ、比較的硬い宝石に分類されます。古代の主要な産地としてはセントジョンズ島が知られていますが、その鉱脈は枯渇しているものの、採掘は禁止されています。現在、宝石として流通している品質のペリドットは、アメリカのハワイやアリゾナ州、中国、ミャンマーなどで採掘されています。

さらに、石鉄隕石の一種であるパラサイトにも、まれに宝石質のカンラン石が見られることがあります。これらは原石のまま流通することもあれば、特に大きなものはカットされて宝石市場に出回ります。隕石由来のペリドットは、発見が困難なため、高価な価値を持つことが多いです。

ペリドットは、主にマグネシウムを含む苦土橄欖石と鉄を含む鉄橄欖石の混合物で、このバランスによって色合いが異なります。苦土橄欖石が多い場合は黄緑色が、鉄橄欖石が多い場合は褐色や黒色になります。実際に宝石として使用されるのは、苦土橄欖石が90％以上を占める黄緑色のものです。

まとめ

美しい緑色と神秘的な歴史を持つペリドットは、古代から現代に至るまで、多くの人々に愛され続けています。その特徴的な色合いと珍しさから、宝石市場でも注目される存在です。ペリドットは、その美しさだけでなく、幻想的な由来や歴史をも抱える、非常に興味深い宝石であります。

もう一度検索