大きな機関車たち

大きな機関車たちについて

『大きな機関車たち（汽車のえほん21）』は、ウィルバート・オードリー牧師が執筆した児童向け絵本シリーズ「汽車のえほん」の第21巻です。この絵本は1966年にイギリスで初めて発行され、特に低学年の子供たちを対象としています。日本語訳は1980年10月にポプラ社から出版された後、2004年に絶版となり、2010年にミニ新装版が発売されました。

概要

シリーズは1945年から続いており、ほぼ毎年新しい巻が発表されています。本書では、本線の機関車たちが主題ですが、物語の舞台はエドワードの支線が中心です。収録されているのは、4つの短編作品で、挿絵はガンバーとピーター・エドワーズの手によるものです。

収録作品

本書には以下の4つの物語が収められています。
1. ビルとベン（The Dieseasel）
2. みつばちとジェームス（Buzz, Buzz）
3. ゴードンのいのちびろい（Wrong Road）
4. エドワードのはなれわざ（Edward's Exploit）

これらの物語は、機関車たちの冒険や仲間との友情をテーマに展開されます。

登場キャラクター

本書に登場するメインキャラクターには、トーマス、ヘンリー、ゴードン、ジェームス、エドワード、ダックがいます。特にトーマスとヘンリーは、挿絵にわずかに登場するだけで、本書の中心的なストーリーからは少し外れた存在です。また、ドナルドとダグラスは最終ページに登場します。

新たに登場するサブキャラクターには、ビルとベンがいます。彼らはW・G・バグナル社製のタンク機をモデルにしています。本書では、特にボコが注目され、彼はこの巻での初登場キャラクターです。ボコは、メトロポリタン・ヴィッカーズ2型をモデルにしており、その特徴は作中で詳しく描かれています。オードリー牧師は、ボコの名前が「Co-Bo」の逆さ読みだと説明していますが、音の響きの良さからボコと名付けられたとのことです。

物語の背景とエピソード

「みつばちとジェームス」の物語は、1956年にロンドン・ブリッジ駅で発生した実際の出来事に基づいています。約5万匹のミツバチを乗せた巣箱から6匹が逃げ出し、駅は騒然としました。この混乱は、乗客や駅員、さらには列車にまで影響を及ぼしました。

また、「エドワードのはなれわざ」の中では、エドワードが故障し、機関士たちが「昔の機関車のような片側ピストン」と述べる場面がありますが、これは少し誤解を招く表現です。実際には、動輪が1軸しかない古典的な機関車を指しています。

このように『大きな機関車たち』は、幼い読者にとって身近でわかりやすいストーリーと魅力的なキャラクターを通じて、鉄道の世界を楽しむ手助けをしています。子供たちにとって、機関車たちの冒険は、友情や助け合いの大切さを教えてくれる素晴らしい作品です。

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