大ダコ (東宝特撮作品)

大ダコの概要

大ダコとは、東宝の怪獣映画『キングコング対ゴジラ』をはじめとしたいくつかの作品に登場する架空の生物です。この生物は、突然変異によって超巨大化したタコであり、別名としては海魔や怪魔と呼ばれています。彼は長い八本の触手を持ち、圧倒的な力で他の怪獣を苦しめる能力があります。大ダコは柔軟な軟体動物で、銃や槍などの武器には影響を受けることはありません。また、肉食性が強く、漁船を襲って人間を捕食することでも知られています。すべての個体が夜行性であり、主に夜間の行動を行っています。

特撮監督として名高い円谷英二は、『ゴジラ』の企画時に大ダコをイメージしたとされ、その後も彼の作品にたびたびこのキャラクターを登場させました。特に映画『キングコング対ゴジラ』においては、大ダコの特撮が高く評価され、アメリカの製作会社と連携した作品でも再登場しています。

登場作品

キングコング対ゴジラ（1962年）

ファロ島近海に生息している大ダコは、夜な夜な島に上陸し島民を襲う様子が描かれています。しかし、彼の捕食行動はキングコングによって妨害され、激しい戦いが繰り広げられます。大ダコはキングコングの頭に触手を絡めようとしますが、最終的には彼の怪力に抗えず、海へ逃げることになります。

フランケンシュタイン対地底怪獣（1965年）

この作品では、富士山麓の湖に生息しているとされ、フランケンシュタインとの戦いで大ダコが登場します。バラゴンとの激しい戦闘の中、彼はフランケンシュタインを湖底に引きずり込む場面が描かれています。

フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ（1966年）

こちらでは、突然変異により巨大化したタコが登場し、肉食性を持つことが強調されています。嵐の夜に船を襲うシーンが印象的で、ガイラとの戦闘が展開されます。タコは船員を捕まえようとしますが、ガイラに妨害され、最終的には海へ叩き込まれる場面が描かれています。

制作の裏側

『キングコング対ゴジラ』の撮影には、本物のマダコやミニチュア、実物大の触手の造形物が用いられました。本物のタコを用いた撮影は三浦半島の三崎で行われ、スタッフたちはタコが思うように動かない中で数日を費やしたといわれています。円谷英二監督の熱意によって、彼は多くのタコを購入し、目にピンライトを当てることで動きのある撮影を試みました。

特に興味深いのは、撮影中のエピソードで、 スタッフがタコが動くのを待つ間にキャッチボールをしていたという話です。また、タコを使った撮影後、料理人によってタコが調理され、スタッフ全員で味わったことも知られています。

音響に関しては、伊福部昭が大ダコの効果音を手掛けており、無調の12音階やミュージックソーを使った独特の音が鳴らされました。これにより、大ダコの存在感がより一層際立てられています。

登場キャラクターの影響

大ダコは、怪獣映画において特異な存在感を放ち、他のキャラクターたちにも影響を与えました。後の作品や関連メディアでもその姿や特性が借用されています。例えば、『ウルトラQ』第23話「南海の怒り」では流用されたり、『ゴジラ×メカゴジラ』では背景設定として取り上げられています。さらに、2017年の映画『キングコング:髑髏島の巨神』では、リバー・デビルとして大ダコへのオマージュが見られます。これらの作品を通じて、大ダコの魅力と存在は今なお多くのファンに愛され続けています。

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