大久保道舟

大久保道舟について

大久保道舟（おおくぼ どうしゅう）は、日本の仏教学における重要な人物であり、1896年に福井県武生市で生まれました。彼は長い学術のキャリアを持ち、学問的な貢献を果たしました。特に曹洞宗に関する研究が評価され、多くの著書を残しています。

学歴と経歴

彼の学問の歩みは、武生中学及び曹洞宗大学（現・駒澤大学）を経て、東京帝国大学史料編纂所で史料編纂官補として始まりました。この経験は彼の後の研究活動に大きな影響を与えることとなりました。東亜練成院および福井師範学校での教授職を経て、1949年には新設の福井大学学芸学部の教授として迎えられました。1954年には、東京教育大学にて文学博士の称号を取得しました。

その後、大久保は福井大学を定年退職後、駒澤大学での教授を務め、さらに東北福祉大学の学長に就任しました。彼は1978年から駒澤大学の総長も担い、かつ曹洞宗龍門寺の住職として宗教活動にも従事しました。1994年9月5日、急性肺炎のため98歳で他界しました。

受賞と栄典

その功績は広く認知され、1982年には勲三等旭日中綬章を受章しました。また、1990年には武生市の名誉市民に選ばれました。

主な著作

大久保道舟は多数の著書や論文を執筆し、仏教及び日本文化の研究に寄与しました。

• - 道元の言葉（1943年、東峰書房出版・1974年には誠信書房より再版）
• - 道元禅師伝の研究（1953年、岩波書店出版）
• - 日本文化史叢考（1977年、誠信書房出版）
• - 永平二祖 孤雲懐弉禅師御伝記（1980年、山喜房佛書林出版）

また、多くの訳注や編著も行い、「道元禅師全集」や「曹洞宗大系譜」などの重要な資料をまとめています。彼の論文は、仏教研究の分野でも高く評価されています。

学術論文

大久保の研究の中には、特定の僧侶に焦点を当てた論文も多数あります。例えば、1935年に発表された「大智禅師の障害とその鴻業」や、同年の「寒巌義尹禅師の嗣承問題」はその一例です。彼の研究は、仏教界の歴史や文化の理解を深める上で重要な役割を果たしました。

おわりに

大久保道舟は、仏教と文化の架け橋となった学者であり、その業績は後世にわたって尊重されるべきものです。彼の研究によって、多くの人々が仏教の深い理解へと導かれることとなりました。道舟の影響は、今なお日本の仏教界や学術界に息づいています。

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