大井川鉄道cワフ0形貨車

大井川鉄道 cワフ0形貨車

大井川鉄道が所有するcワフ0形貨車は、1953年に製造された特異な貨車です。これらは有蓋緩急車として位置付けられ、主に井川線と大井川本線の両方で運用されることを想定して設計されています。

概要

cワフ0形は、日本車輌製造で4両（cワフ1 - 4）が制作されました。車体は半鋼製で、その自重は5.0 t、最大荷重は4.5 tです。特筆すべきは、井川線用と大井川本線用の連結器が両方搭載されている点です。このため、貨車は上下に配置された2つの連結器を持ち、使用時には必要な方の連結器を正面に向けてピンで固定する仕様となっています。

連結器の設計

連結器の設計には、異なる規格が考慮されています。大井川本線と井川線では、連結器の高さが異なります。大井川本線では880 mm、対して井川線では640 mmであり、このためcワフ0形は、車両間の連結能力を確保するための調整役として機能しています。また、井川線のアプト式区間を通過するための起動制御機能も兼ね備えており、他の井川線用貨車同様に、引き通し線が設置されています。

デザインと機能性

cワフ0形のデザインには、特に連結器の取り付けに配慮されており、上段の並形自動連結器は緩衝器や復心装置を内蔵しています。このため、両端部はやや持ち上げられ、車掌室の出入り口は片側にのみ配置されています。反対側は窓が設置されており、効率的な使い勝手を考慮されています。

運用実績

貨物輸送の実際の運用にあたっては、例えば材木を積載したcトキ200形と連結し、E10形電気機関車を介して新金谷駅まで直通運転が行われていました。また、貨物輸送が終了した後も、石炭ガラの輸送列車で同様の形式の運行が続けられています。イベントの開催時や資材輸送の場面でも、この貨車が利用されています。

現在の状況

cワフ2およびcワフ3は、長期間にわたり本線用の連結器を取り外された結果、休車状態となり、最終的に2014年に廃車となりました。その後、2018年には旧国鉄吾妻線太子支線の太子駅跡地に整備中の公園へ搬入されました。

まとめ

このcワフ0形貨車は、日本の鉄道においても稀な形式であり、その独特な連結器のデザインや運用方式は、貨物輸送の効率を高めるための工夫が凝らされています。この貨車がもたらした様々な機能的な利点は、大井川鉄道の輸送能力に大きく寄与しています。

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