大分市の地名

大分市の地名一覧

大分市は、その歴史とともに地名も変化してきました。ここでは、旧市街の町名から、住居表示実施後の町名、そして各地区ごとの地名まで、詳細に解説します。特に、昭和の大合併以前の旧大分市を除き、原則として旧市町村ごとに支所が設置されているため、支所の管轄ごとに記述します。ただし、明野支所のように旧市町村によらないケースもあるため、鶴崎地区とともに記載し、明野地区は別に記述します。

旧市街（府内城下）の町名

大分市中心部、府内城下の公称地名は、住居表示実施以前はすべて「大字大分」でした。しかし、通称町名や小字として、他の城下町と同様に町名が存在していました。ここでは、明治期から昭和中期、住居表示実施の時期までの伝統的な町名について解説します。

大分町の成立

1875年（明治8年）、府内町、松末町、笠和町、千手堂町、同慈寺町、荷揚町、南勢家町の7町が合併し、大分町が発足しました。これらの町は、さらに細かく53の通称町名や小字に分かれていました。

各町の詳細

以下に各町の詳細を記します。

府内町
唐人町、名ヶ小路町（名号小路町）、於北町、桧物町、東上市町、中上市町、西上市町、鍛冶屋町、京町、革屋町（本町）、大工町、魚町、茶屋町、白銀町、西小路町、桜町、室町、西町、清忠寺町、上柳町、中柳町、下柳町、塗師町（ぬし）、田町、今在家町、寺町、下紺屋町、上紺屋町、竹町（1丁目～5丁目）、東新町（※後述）
※小字名としては細工町を含む。

松末町
中ノ町、下市町、稲荷町、胡町、万屋町、長池町、北町、中横町、東町、塩九升町、東新町（※後述）
※小字名としては長池町を東西に分けています。また、上記以外に御屋敷、江戸町の小字が存在しました。

千手堂町
小物座町（こもんざ）、天神町、後小路町、古川町、米屋町、元町

南勢家町
堀川町、船頭町、西新町、沖ノ浜町
※小字名としては袋町、堀詰、大道を含む。袋町は荷揚町に同名の町が存在しましたが関連は不明です。

笠和町
細かく分ける単位はありません。住居表示直前の段階では、字笠和町でありましたが、通称町名としては「若草」と呼ばれていました。

同慈寺町
同慈寺町は細工町という別名があり、当時の地図でも「細工町」と書かれていたケースがほとんどでした。ただし、小字名一覧によれば、「細工町」は府内町の一となっています。

荷揚町
小字としては東広小路、西広小路、北広小路、薮小路、山里、大手前、中島、開墾地、南新地、西新地が存在しました。ただし、南新地を除けば、全域が通称町名としては荷揚町北・西・東・南として扱われていました。南新地・西新地については堀の埋め立て地であり、その後も通称町名として用いられました。別の地図によれば、東広小路、中広小路、薮小路、袋町、南町、東立町、山里口、北裏町、北広小路、中立町、浄安寺町、西町、西広小路が存在しました。
これらの町名のうちいくつかは、後述の旧町名表示板が設置されています。

東新町
7町の区分では府内町・松末町にまたがる地域として記述されています。また、当町の小字として勢溜、坊ヶ小路、六軒町が存在します。このうち坊ヶ小路は現在の錦町にあたります。

大分市の拡大と区分の変化

1922年、東大分村のうち、大分川左岸にあたる舞鶴町・中島裏（現在の中島・碩田町など）・豊河原（別名、弁天島。現在の弁天など）を編入し、大字大分に編入しました。
1928年の時点で、大分市は83区に分けられており、内35区が大字大分に割り当てられていました。旧53町のうち、1928年の時点で確認できないのは沖ノ浜町・東町・中横町・於北町です。沖ノ浜町は「大字勢家に含まれ」、「現在の浜町」とされます。東町・中横町は長池町に含まれたとされます。於北町はその後も継続して通称町名として使われたため、上の一覧に記載がない理由は不明です。

その後の変化と住居表示

府内城周辺の埋め立て地が○新地とされ、南新地・西新地は前述のとおりですが、中新地・東新地はその後の地名には見られず、詳細不明です。

1963年より、住居表示実施により、通称町名が順次廃止となりました。現在、府内城下にあたる中心部の町では、旧町名を示すプレートを設置しています。

大字一覧

2005年以前までに設置された大字は以下の通りです。

大分地区
稙田地区
大南地区
坂ノ市地区
大在地区
鶴崎地区・明野地区

町（住居表示実施地区）

大分市の町は大半が住居表示によるものですが、一部、住居表示未実施の町があります。住宅団地においては、街区方式で地番整理を行っている地区があります。ここでは、大分市の支所の管轄、本庁地区については大分中央警察署の管轄における情報を元に大字以外の公式町名を列挙します。

大分地区

（各町名と成立年、旧大字のリスト。詳細は上記原文参照）

稙田地区

（各町名と成立年、旧大字のリスト。詳細は上記原文参照）

大南地区

（各町名と成立年、旧大字のリスト。詳細は上記原文参照）

坂ノ市地区

（各町名と成立年、旧大字のリスト。詳細は上記原文参照）

大在地区

（各町名と成立年、旧大字のリスト。詳細は上記原文参照）

鶴崎地区

（各町名と成立年、旧大字のリスト。詳細は上記原文参照）

明野地区

（各町名と成立年、旧大字のリスト。詳細は上記原文参照）

通称町名

上記の正式町名以外に、通称町名を用いる地区も多数あります。旧市地区においては、別府市同様に、大字表記による正式地名と、通称町名と「組」を用いた通称地名が併用されています。また、それ以外の地区でも、住宅団地地区の場合、「組」などを用いて表記しています。現在、大分市では順次正式町名化を進めています。

大分地区
稙田地区
大南地区
鶴崎地区
* 明野地区

平成の大合併

2005年（平成17年）に大分郡野津原町と北海部郡佐賀関町の2町を編入しました。「大分市」に続けて旧町の大字を続けているため、旧2町の中心部以外は住所表記に旧町名が用いられていません。

旧野津原町

（旧町名リストは原文参照）

旧佐賀関町

（旧町名リストは原文参照）

まとめ

大分市の地名は、その歴史と都市開発とともに変化してきました。このガイドを通じて、大分市の地名に対する理解が深まれば幸いです。

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