大分県中部地震

大分県中部地震

大分県中部地震は、1975年4月21日（月曜日）午前2時35分に大分県中部、具体的には玖珠郡と大分郡付近を震源として発生した内陸型の直下型地震です。この震災は一般的に大分地震とも呼ばれ、九州内陸部で起こった地震としては、1968年に起きたえびの地震や1975年の阿蘇地震（どちらもマグニチュード6.1）を上回るものであり、戦後最大規模の地震として記録されています。

地震の特性と震度

気象庁によると、この地震の観測上の最大震度は4でしたが、震源に近い地域、例えば庄内町内山や九重町寺床では多くの家屋が全壊しました。このことから、震源周辺では震度5以上の激しい揺れがあった可能性が指摘されています。地震が発生した当時、その影響は広範囲に及び、多くの地点で震度3以上が観測されました。

被害状況

1975年4月24日16時時点の大分県警調べによれば、負傷者は22名に達し、住家の破損状況は以下の通りです：

• - 全壊：58戸
• - 半壊：93戸
• - 非住家の全半壊：104戸

加えて、185箇所の道路や橋梁が損壊し、特に別府阿蘇有料道路では道路法面や盛土が崩壊しました。これにより、通行不能の状態が続きました。また、国道210号や大分県道621号田野庄内線、大分県道30号庄内久住線においても多数の山崩れや落石、盛土の崩壊があり、特に湯布院町に位置する幸野橋が崩落し、自衛隊によって仮設橋が設置されました。

建物に関しても被害が大きく、特に九重レークサイドホテルでは、建物の1階部分が崩壊し、3階建てに見える外観になってしまいました。このホテルは当時の建築基準を満たす鉄筋コンクリート構造のものでしたが、壁が少なく剛性が不足していたため、崩壊に至ったと考えられます。地震発生時には58名の宿泊客がいたものの、火災がなかったため全員が無事に避難することができました。しかし、崩壊した1階では警備員が仮眠していたため、危うく下敷きになりかけましたが、奇跡的に軽傷で済みました。

地域別の被害

各市町村における具体的な被害状況は以下の通りです：

• - 庄内町（現由布市）：負傷者5名、建物全壊31戸、建物半壊39戸、道路破損57箇所、崖破損40箇所。
• - 九重町：負傷者11名、建物全壊41戸、建物半壊34戸、道路破損84箇所、崖破損98箇所。
• - 湯布院町（現由布市）：負傷者6名、建物全壊0戸、建物半壊24戸、道路破損21箇所、崖破損36箇所。
• - 直入町（現竹田市）：負傷者0名、建物全壊5戸、建物半壊18戸、道路破損16箇所、崖破損4箇所。

この地震を契機に、1981年には建築基準法が改正され、より安全な建物の基準が設けられることとなりました。

終わりに

大分県中部地震は、その発生から約50年が経過した今でも多くの教訓を残しており、地震予知や災害対策の重要性があらためて認識されています。このような地震が再び発生しないことを願い、地域の防災対策は今後も進めていく必要があります。

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