えびの地震

えびの地震の詳細

1968年2月21日の午前10時44分50秒、宮崎県と鹿児島県の境界近くで発生したえびの地震は、マグニチュード6.1を記録しました。この地震の震源は、韓国岳から北西に約15kmの地点に位置し、真幸地区では震度6を観測しました。この地震は、えびの町（現在はえびの市）において多大な影響を及ぼしました。

地震の前後の状況

地震発生の数時間前、同日8時51分にはマグニチュード5.7の前震があり、また翌日の2月22日19時19分にも同じく震度5の揺れがありました。気象庁では、最初の大きな揺れを「えびの地震」と命名し、8時51分の揺れを前震、22日の揺れを余震と分類しました。その後、3月25日を過ぎてからは、この地震活動が再び活発化したため、群発地震であった可能性があるとされています。

この地震によって、2月21日の前震から翌月の3月25日までに、震度5以上の地震が合計5回発生しました。そのうち、4回で顕著な被害が生じました。揺れは九州全域で感じられ、特に被害が大きかったのは宮崎県の真幸地区と鹿児島県の姶良郡吉松町（現在の湧水町吉松地区）でした。

被害の状況

えびの地震による被害は甚大であり、死者は3名、負傷者は44名に上りました。また、住宅への影響も深刻で、全壊498戸、半壊1,278戸、一部損壊は4,866戸に達しました。さらに、鉄道や道路の分断、橋の損壊、耕地の埋没などのインフラにも大きな被害がありました。

特に地域の地質に関わる問題として、シラス崩壊による被害が多かったことが挙げられます。地盤が震災によって弱まり、その後1972年の集中豪雨により土地が崩れるなど、連鎖的な被害が報告されています。

各地の震度

地震によって震度4以上の揺れを観測した地点についても、多くの情報が集まっています。この震災は、次の世代の日本にも地震対策の重要性を訴えかける出来事として残りました。えびの地震を通じて、地域の防災意識が高まるきっかけになったことは無視できない事実です。

まとめ

えびの地震は、日本の地震の歴史の中でも特に記憶に残る大きな出来事です。この地震を契機に、日本の地震に対する備えや地域の耐震強化が進められるようになりました。自然災害の脅威を忘れず、常に備えることの大切さを再認識させる事件であったと言えるでしょう。

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