大分県道612号長目中ノ島線

大分県道612号長目中ノ島線：日本一狭い道？

大分県津久見市を走る一般県道である612号長目中ノ島線は、その狭さから「日本一狭い県道」とも呼ばれています。この道路は、津久見市の大字長目と大字中ノ島を結び、四浦半島の先に位置する保戸島へのアクセスにおいて、唯一の県道としての役割を担っています。

驚きの狭さ

全長わずか256メートル（開通部分）、幅員も1.2～1.8メートルと、自動車の通行は事実上困難なほど狭隘な道路です。この狭い幅員は、多くのドライバーにとって驚きであり、その特殊性から話題を呼んでいます。2014年頃には、市道との区別のため路面に県道の表示がなされましたが、地元住民の中には、この道路が県道であることを知らない人もいたというエピソードも残っています。

歴史の謎

この道路の起源は、大分県臼杵土木事務所や津久見市役所にも正確な記録が残されておらず、謎に包まれています。推測として、自治体などが整備した道路が後に県に移管されたのではないかと考えられています。その経緯は、今後の調査が必要な点と言えるでしょう。

中ノ島：埋め立てられた小島

終点の中ノ島は、かつては保戸島と四浦半島の間に存在した小島でした。しかし、1955年から1967年にかけての埋め立て工事に伴い、現在では保戸島と地続きとなっています。この埋め立てによって、四浦半島と保戸島を結ぶ道路の必要性が生じ、612号線の存在意義がより明確になったと言えるでしょう。

保戸島へのアクセス

四浦半島と保戸島の間の距離は約100メートル。四浦半島の先端までは大分県道611号四浦日代線が通じています。現在、612号線は自動車の通行が困難ですが、2010年に策定された『津久見市都市計画マスタープラン』では、四浦日代線と保戸島を結ぶ架橋構想が盛り込まれています。この計画は、保戸島の基盤整備推進に向けた取り組みとして、関係機関への働きかけが続けられています。架橋実現は、島民の生活向上や観光振興に大きく貢献する可能性を秘めています。

起点と終点

起点である長目は、長目半島の先端部南側に位置します。一方、終点の中ノ島は、前述の通り、埋め立てによって保戸島と一体化しています。保戸島港定期船乗場もこの道路沿いに位置し、島民の生活と密着した重要な役割を果たしています。

まとめ

日本一狭い県道と呼ばれる大分県道612号長目中ノ島線は、その狭さだけでなく、歴史的背景や地理的条件、そして未来への展望を含めて、非常に興味深い道路です。その存在は、地域住民の生活、そして保戸島の発展に深く関わり、これからもその役割を担い続けることでしょう。今後の架橋計画の実現が期待されます。

もう一度検索