大分県道679号川上玖珠線

大分県道679号川上玖珠線と玖珠戦車道

大分県由布市から玖珠郡玖珠町に至る全長約30kmの一般県道、大分県道679号川上玖珠線は、西日本最大の演習場である日出生台演習場の周辺を走っています。この道路の一部区間、特に玖珠町内にあるコンクリート舗装された区間は、地元住民や自衛隊関係者、そしてミリタリーファンから「玖珠戦車道」と呼ばれ親しまれています。

玖珠戦車道の概要

玖珠戦車道は、陸上自衛隊玖珠駐屯地と日出生台演習場を結ぶ重要なルートです。戦車や装甲車などのキャタピラ車両が頻繁に通行するため、道路の損傷を防ぐためにコンクリート舗装が施されています。この頑丈な道路は、駐屯地と演習場間の車両移動を円滑に行うために不可欠なインフラと言えるでしょう。

玖珠戦車道は、玖珠町道、県道679号、そして大分県道409号下恵良九重線の一部を含んでいます。玖珠駐屯地から演習場までの経路は、町道から国道387号と交差する地点、そして県道679号、さらに県道409号下恵良九重線へと続きます。沿道には、道の駅童話の里くすなどの観光スポットもあり、戦車走行を撮影するファンも訪れています。

陸上自衛隊の車両通行

玖珠駐屯地には、戦車部隊や水陸両用車部隊が駐屯しており、10式戦車や水陸両用車AAV7などが、演習場との間を頻繁に往復しています。これらの車両の通行は、玖珠町と自衛隊との間で綿密な調整が行われており、通常は時速10km程度で、キャタピラには騒音と舗装への負担を軽減するためのゴムパッドが装着されています。安全確保のため、先導車、戦車回収車、ロードスイーパーが伴走して走行します。

日本の公道を戦車が走行するルートは、この玖珠戦車道と北海道千歳市の「C経路」の2箇所のみとされています。これは、戦車の重量やキャタピラの振動が道路に与える影響を考慮した結果です。玖珠町では、戦車などの通行予定をホームページで公開しており、地域住民への情報提供に努めています。

沿線地域と玖珠戦車道

玖珠戦車道の沿線には、深見ダム、小野原ダム、日出生台ダムなどのダムや、日出生台小学校小野原分校、小野原簡易郵便局といった施設があります。また、玖珠清掃センターや森郵便局なども、道路沿いに位置しています。これらの施設は、玖珠戦車道と密接に関わっていると言えるでしょう。

まとめ

大分県道679号川上玖珠線、特に「玖珠戦車道」は、自衛隊の活動と地域社会の関わりを示す重要な事例です。戦車などの車両通行は、地域住民への影響を最小限に抑えるための工夫が凝らされており、安全確保と道路維持のバランスが保たれています。玖珠町による情報公開も、地域住民との信頼関係を築く上で重要な役割を果たしていると言えるでしょう。軍事施設と地域社会の共存、そしてミリタリーファンにとっての観光スポットとしても、玖珠戦車道は独特の存在感を放っています。

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